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さぁ、約束通りスケさんに協力して貰おう。

 こういう時は、何も知らない第三者から話を聞いたら考えがまとまるかもしれない。


 思いきって渡辺さんに相談してみた、もちろん詳しく説明は出来ないけど、何かきっかけになればいい。


 「例えばなんですけど、自分よりも大きい相手と戦わないといけないとしたら、渡辺さんならどうしますか?」


 「何ですかソレ?私なら逃げますけど、たぶん絶対に戦わないとダメなんですよね。


 自分の勝てるところで勝負するしかないと思いますけど、結局は時間が解決してくれるんじゃないですか」


 「ん?時間が解決って何?」


 「父親なんて、どう頑張っても娘の彼には勝てないもんですよ。


 下手に対抗意識を燃やすと、ウザがられるだけですから」


 「何の話?」


 「え?この前の娘さんが告白された話じゃないんですか?」


 「何で渡辺さんがそんな事を知ってるんですか?」


 「私の弟が、娘さんと同じ高校なんですよ、それで告白したのは弟の友達らしくて、今度一緒に遊びに行く事になったって喜んでたって言ってたので‥」


 「はぁ!?」


 「さ、佐藤さん怖いですよ」


 「あ、すみません、すみません」


 思わず殺気が漏れてしまった、娘からはそんな話は何も聞いていない。


 少し前までは事故の事で落ち込んでいたはずだ、なのにデート?


 『スケさん、ガラスゴーレムで調べてくれない』


 『何を言ってるんですかマスター?トロールの攻略のヒントを探してたんですよね』


 『そんなのは後回しだ、今は娘の方が心配だ、高校生男子なんて頭の中はエロい事でいっぱいなんだよ』


 『遊びに行くって言ってただけですよね?』


 『スケさんは何も分かってない、一緒に遊びに行ってどさくさに紛れて手を握るつもりなんだ。


 あわよくばそれ以上を狙っているに違いない、トロールなんかに構ってる暇はないんだよ』


 『一応、美月様にもゴーレムはつけてありますけど、ワタシはプライベートな事に口を出すつもりはありませんよ。


 ゴーレムで情報を集めるとしても、トロールの後です』


 『まずはトロールを倒さないといけないのか』


 俺がスケさんと頭の中で会話をして、難しい顔をしていると、心配そうに渡辺さんが声を掛けてきた。


 「あの大丈夫ですか?私なにか不味い事を言っちゃったみたいで」


 「そんな事ないです、助かりました、その友達ってどんな子何ですか?」


 「えっ、茂野君ですか、家にも何度か遊びに来た事がありますけど、とっても良い子ですよ。


 背も高くて、勉強も運動も出来て、学校でも人気があるみたいですよ」


 「ありがとうございます、茂野君か‥‥」


 「佐藤さん、娘さんの交友関係にあまり口出しするのは本当に良くないですよ、大丈夫ですか?」


 「大丈夫です、ちゃんと分かってますから」


 俺は渡辺さんが完全に引いているのに気がつかず、スケさんに協力を得る為に、今日中にトロールを倒す事にした。


 どんなスキルが有効かなんて分からないけど、ポイントには余裕がある。


 無駄使いする前に、俺が取得条件を満たしていないから、スケさんに空間魔法を取得してもらった、ユニーク(固有級)スキルだし、取得には30000ポイント、レベルのあるスキルとしては高いので、強スキルの期待は大きい。


 スケさんは勝手にスキルを決められてちょっと機嫌が悪かったけど、取得するか迷っていたスキルでもあったらしく、渋々納得してくれた。


 空間魔法レベル5まで上げて、俺自身は|ユニークスキルのリサイズ(拡大縮小)50000ポイントを取得した。


 ダンジョンで俺は重力の魔眼を使って自分を宙に浮かせ、28階層を見下ろしていた。


 手にはそこら辺で拾った拳大の瓦礫、それを無造作にトロールに向かって投げた。


 リサイズで拳大だった瓦礫が、10(メートル)近い大きさになって、それを重力の魔眼で加速させていく。


 トロールに直撃する頃には空気摩擦で赤熱化して、轟音と共に28階層全体を揺らした。


 トロールが居た半壊の王城が消えて、クレーターの中心に29階層への出入口があった。


 なにもかもを消し飛ばしたので、魔石は回収出来ずポイントも獲得出来なかった。


 少し反省をしてから29階層に進む、29階層で出てくるのは28階層と同じ巨人系の魔物、王城に1体だけだったトロールも普通に歩いている。


 階層全体は木々が多い繁る自然豊かな島が丸々一つ、海に囲まれていて海にはクラーケンやスキュラ、カリュブディスという魔物が回遊していて、島以上に危険な場所だった。


 海に近づいたギガンテスが、クラーケンの触手に捕まって海に引き摺り込まれるのが見え、海水が赤く染まって波が元の青に戻した。


 「なんか難易度上がり過ぎじゃない?」


 『あくまでメインは島の攻略なんでしょう、海の魔物は海に入らない限り襲って来ないようですし。


 出来るだけ海には近づかない様にすれば大丈夫でしょう』


 「そうだな、相手は巨人達だ、絶対に海には近づかない」


 俺は兎達にも海には近づかないように注意して、島の中心を目指して、森に足を踏み入れた。


 島はスケさんの知覚範囲よりもかなり広いようで、28階層と繋がる出入口のある海辺からは島の全容が分からない。


 森に入ると葉の繁った背の高い木に光が遮られ、薄暗くて視界が悪い。


 兎達は耳を忙しなく動かして周りの気配を探っている、俺みたいにスケさんに頼りきっていないのが偉いと思う。


 木よりも背の高いトロールが木を倒しながら近づいて来て、こっちに木が倒れてくる。


 倒れてきた木を避けながらトロールの足を大剣で切る、反対の足を兎達が攻撃してトロールが倒れる。


 トロールの身体が木々をなぎ倒して、ただ倒れるよりも大きく避けないと危ない。


 足が治って立ち上がろうとするトロールを、重力の魔眼で押さえつけ動けないトロールを光に変えた。


 密集した木々は巨人達の動きで、倒れて来たり破片が飛んで来たり、視界を遮るだけじゃなく凶器になっている。


 ダンジョンの不思議で倒れた木は少し経つ消え、新しい木が生えている。


 完全に倒れて平地になってくれれば、もっと安全探索が出来るのに、試しに大剣で木を斬り倒してみたら10本切り倒す前に最初に切った木が再生していた。


 無駄な行為は諦めてスケさん頼りの探索を続ける、巨人達との遭遇を何度も繰り返して森の中での戦闘に慣れた頃に探索を終わらせて帰った。


 兎達は少しずつノートPCを改造しているようで、帰還前にスケさんから何かのパーツを受け取っていた。


 兎達がいつの間にか空間収納と、魔改造技術とか電脳ネットワークとか意味が分からないスキルを覚えていた事に驚いた。


 キッカのステータス、体力1111、魔力3333、筋力2222、知力3333、スキル、跳躍、天駆、縮地、衝撃、超音波、波動咆哮、吸魔、隠密、気配察知、空間収納、魔改造技術。


 オウカのステータス、体力2222、魔力2222、筋力3333、知力2222、スキル、跳躍、天駆、縮地、蹴撃、耳斬撃、浸透勁、聖光撃、隠密、気配察知、空間収納、電脳ネットワーク。


 何をするスキルか詳しくは分からないけど、何となくパソコン関係なんだろうなと思いながら、帰還する兎達を見送って、俺も部屋に帰った。


 さぁ、約束通りスケさんに協力して貰おう。

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