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全く勝てる気がしない

 『少し試してみましょう』


 そういって、キッカとオウカのステータスを弄り始めた。


 兎達のステータスは、俺と同じでポイントを使って上げる事が出来た。


 ただし、異世界の法則も組み込まれていて、俺の様に倍々とはならず、1000ポイントで全能力値が初期値分加算される仕様になっていた。


 スケさん曰く、『1度マスターの能力値が+4000を超えた時に、管理機構がマスターのバグに気がついて修正したんでしょうね』、との事。


 それでも兎達を強くする事は出来そうだ。


 魔物のスキル取得は自力で覚えて、レベル上げするしかないらしい。


 俺はポイントでしかスキルの取得もレベル上げも出来ないので。


 自力とポイントの両方でスキルを取得、レベル上げが出来る異世界人はズルいと思った。


 実際は、レベルアップ時に貰えるポイントはレベル分のポイントで、レベルアップもレベルが上がれば難しくなるのでポイントの獲得は難しい。


 自力でのスキル取得やレベル上げも年単位の努力が必要になるで、佐藤九郎の方が異世界人からしたらよほどズルい。


 魔物は、人間に比べて元のステータスが高く初期値でもランク分けされレベルが上がるほど差が広がり、スキルの取得も得手不得手を本能で感じ取り、人間より何倍も早い。


 異世界は全体的に生物の格が高く、異世界人はこの世界の人に比べて強いけど、異世界を生きるのは決して楽ではない。


 2匹に10000ポイントずつを使って、ステータスを上げると。


 キッカのステータス、体力11、魔力33、筋力22、知力33。


 オウカのステータス、体力22、魔力22、筋力33、知力22。


 になった、思ったよりも成長させるのにポイントがかかり、ポイントを稼がないといけなくなった。


 でも、兎達を育てれば俺がこれ以上強くならなくても、ダンジョンの攻略が出来そうだ。


 20階層を兎達を連れて歩く、何故かスケさんと兎達は意志疎通が出来ている。


 よく考えたら、スケさんは俺以外で初めての話し相手だ、スケさんにとっても兎達を召喚して良かった。


 スケさんも兎達の面倒をよくみている、戦ってもレベルは上がらないけど、スキルを取得するには戦う必要がある。


 俺の聖魔法のバフと呪魔法のデバフ、スケさんのサポートでやっとリザードマンにほんの少しのダメージを与える。


 兎達だけで倒すのは無理そうだけど、2匹は何かを掴んだのか自力でスキルを取得して動きが変わる。


 ポイントの使用には厳しいはずのスケさんがご褒美に、兎達のステータスを上げている。


 「スケさんが、そんなにポイントを使うなんて」


 俺が驚いていると。


 『無駄使いじゃなければ、いくらポイントを使っても文句なんて言いませんよ』


 と返された、兎達のステータスは。


 キッカのステータス、体力31、魔力93、筋力62、知力93、スキルは跳躍と衝撃。


 オウカのステータス、体力62、魔力62、筋力93、知力63、スキルは跳躍と蹴撃。


 になって、兎達に嬉しそうに走り回っている。


 兎だから跳躍は同じだけど、2匹にも能力値以外の違いが出てきた。


 衝撃は突進を繰り返していたキッカが、魔力を集中して叩き続けられる様になって取得。


 蹴撃は色んな角度から蹴り続けたオウカが、より力を込めた一撃を放った時に取得。


 スケさんの指導の下、初のダンジョンを終えた兎達と一緒に部屋に帰る。


 キッカは部屋に帰るとすぐに押し入れの隅で眠り、オウカはゴソゴソと動き回っている音が聞こえる。


 ベットに横になって目を閉じると、いつの間にか寝ていて、起きたら2匹が丸まって寝ていた。


 「キッカとオウカをどうしよう?部屋に置いて行っても大丈夫かな」


 『賢い兎達なので、ちゃんと言い聞かせれば置いて行っても大丈夫だと思いますよ』


 「いくら小さくても図書館に連れて行けないし、良かった」


 スケさんが兎達を起こして、部屋で大人しくしている様に伝えている。


 「キッカとオウカって、何を食べさせればいい?」


 『兎ですし、野菜は食べるんじゃないですか、キッカとオウカは新種なのでワタシも何を食べるかわかりません』


 出掛ける前に、千切りキャベツを皿に移して与えると、鼻をヒクヒクとさせて匂いを嗅いで食べ始めた。


 少し安心して、ようやく家を出る、大人しくしてくれれば、小さいし鳴かないから見つからないはず。


 図書館に着いて、俺が事務所で仕事をしている間に、スケさんは兎の飼育方法を調べていた。


 俺よりもスケさんの方が、兎達を気に入っているので楽が出来ていいな。


 俺は動物にしろ、植物にしろ何かを育てるのは苦手で、娘がいい子に育っているのは間違いなく元嫁のお陰だ。


 兎達が家に来てから何事もなく日々を過ごして、スケさんがすっかり兎に詳しくなった頃、世間は夏を迎えて7月を過ぎ学生達は夏休みに入った。


 長期休みに図書館の来客数が少し増え、比例して仕事も増えるのには慣れている。


 職員も交代で盆休みを取る、正社員と独身者は半強制的に休みをずらして取る事になる。


 俺は盆休み前に2日、盆休み後に2日という鍵の管理も含めて他の職員の穴を埋める感じで、飛び休となってしまった。


 今年は色々あったから、癒しを求めて1泊2日の温泉とキャンプを予定している。


 前半は兎達がいるので、ペット可の宿の予約を取ってゆっくりと温泉に浸かって。


 後半はレンタカーを借りて、テントじゃなく車中泊をしてキャンプを楽しむ計画だ。


 ダンジョンの攻略は、兎達が強くなって22階層まで進んでいる。


 俺の企み通り、兎達に任せてダンジョン攻略出来ると思っていたのに、スケさんが師匠として兎達に負けられないとステータスを上げられた。


 スケさんは念動と神眼をレベル10に上げて、新しいスキル、ユニーク(固有級)スキルのマジックハンドレベル1を10000ポイントで取得していた。


 念動と同じ様なスキルなのに取得した理由は、念動が手で持つように物を動かすのと違って、魔力で手を作って物を動かす事スキルだから、魔力の手は魔法に干渉が出来る。


 前のリッチの影に、何も出来なかった事を気にしてたらしく、使い慣れた念動に似てるマジックハンドを選んだらしい。


 その他の違いは持てる重さが魔力値✕レベル5%㎏と、手の届く範囲がレベル✕10(メートル)な事くらい。


 単純なスキルだけど、手数が増えるのはそれだけで便利だと思う。


 キッカのステータス、体力333、魔力999、筋力666、知力999、スキルが跳躍、天駆、縮地、衝撃、超音波、波動咆哮、隠密、気配察知。


 オウカのステータス、体力666、魔力666、筋力999、知力666、スキルは跳躍、天駆、縮地、蹴撃、耳斬撃、浸透勁、隠密、気配察知。


 身体は一回り大きくなったけど、まだ手のひらにはみ出しながらも乗るサイズなのに、すでに単独で魔物を倒せるようになった。


 キッカは攻撃力がやや弱いながらも、どの距離でも巧く立ち回り、相手の苦手な間合いから死角をつくように魔物を倒し。


 オウカは奇襲からの超近接攻撃が得意で、間合いを詰めた後は打と斬の外部攻撃と、勁による内部攻撃を組み合わせ魔物を倒す。


 スケさんのせいで、ステータスは俺の方が上だけど1対1でも全く勝てる気がしない。

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