スケさんの備忘録2
ワタシのマスターは変です。
ダンジョンをスポーツジムか何かと勘違いしている人は、マスターだけじゃないでしょうか。
娘様と上手くいってないストレスをダンジョンで発散している感じがします。
ダンジョンで魔物を何百と倒しているのに、娘様との事に臆病な態度に違和感しかありません。
ウジウジとしているマスターを焚き付けて、娘様の試合を見に行きましたが、大会というものはハッキリ言って退屈でしたね。
残念ながらマスターの娘様は、予選で敗退してしまったので、すぐに帰る事になったのですが、マスターも少し元気になりましたし、ワタシにもいい出会いがありました。
ただのお節介から、面白いものを惹き付ける才能がマスターにあるんでしょうね。
最初は勘違いかと思いましたけど、魔力を使用した形跡のある少年が3人もいるなんて有り得ません。
意識をして知覚範囲を調べれば、彼ら3人以外にも魔力の微かな反応が、どうしましょう気になって仕方ありません。
マスターに3人を調べる事を願いましたが、仕事だと断られました。
仕事が大事なのはワタシにも理解が出来ます、仕方ありません、なんとか自力で調べましょう。
スキル一覧を検索して、マスターの記憶を参考に有用なスキルを見つけました。
問題は取得に必要なポイントですね、日頃からマスターのスキル取得には厳しく管理してるので、高ポイントのスキルを取得するのは文句を言われそうです。
ワタシのはマスターと違って無駄なスキルではないのですが、マスターの浪漫とかいう魔眼のスキルとは違うのです。
どうせなら、感知系などダンジョンの探索に役に立つスキルを取得して欲しいものです。
ワタシはクリエイトゴーレムと極魔導のスキルを取得、クリエイトゴーレムで30000、極魔導で10000。
考えていた事を実行する為に、神眼をレベル6に上げると、使用したポイントが全部で280000ポイントになってしまいました。
マスターには仕方なく魔眼なんて無駄なスキルを取得する事を許可しましたが、ワタシが使ったポイントがバレれば間違いなく荒れますね。
極魔導を使用するのにポイントが必要なので、へそを曲げられても面倒です。
まぁ、ポイントを管理してるのはワタシですし、マスターが気がつくのはまだ先でしょう。
今は情報収集の為に、新しいスキルを使いこなすのが優先です。
クリエイトゴーレムは、マスターの記憶とは違い魔力で動く人形を造るだけのスキルです。
魔力が尽きれば動かなくなり、元の素材に返り、ゴーレムの大きさもほぼ決まっています。
魔力に満ちたダンジョンなら、戦闘中の魔力切れや大きさが問題になる事はないですが、ワタシの目的には合わない。
そこで極魔導です、ポイントを消費してスキルを改良するスキル、スキルを改良出来る内容からユニークになっていますが、ポイントに余裕がないと使えない死にスキルです。
極魔導は、スキルのテキストを書き換える事が出来ます、絶対に書き換えられないスキルの核になる言葉以外を、制限文字数以内で付け足したり消したり出来るのです。
極魔導で台所から拝借したガラスから、透明で小型のゴーレムを作る事が出来ました、これ以下のサイズは魔力の保有と吸収効率が悪くてダメでした。
後は共感視でゴーレムと視界を共有して、情報収集用のゴーレムは完成です。
共感視の前に覚えた俯瞰視は知覚範囲の下位互換でガッカリしましたが、それは仕方ない事。
ガラスゴーレムを使って、現時点で顔の分かっている3人を捕捉した時に、マスターがしつこくスキルの事を聞いて来ました。
案外早くポイントの事に気がついたようですね、重力の魔眼を取得したのに、予想通り他のスキルを取得したいと言い出し、両目に魔眼がとか言う始末。
ワタシだって必要だと思うスキルなら、反対する事はないのに困ったものです。
それよりも今持っているスキルをもっと使いこなせる様になって欲しいものです、重力の魔眼だって取得したばかりなのに。
ゴーレムを使って少年3人を監視し、なにやら3人が共通した妙な薬を持っています、怪しいので薬は没収しましょう。
ゴーレムが薬と一緒に材料のガラスを拾って帰って来る、薬がない事に気がつくと少年達は焦って新しい薬を買い行きます。
少年達に薬を売っている人間にもゴーレムを着けて、新しい薬は当然没収、少年達の慌てようが憐れです。
薬を調べるましたが依存性があったので、あの慌て方はそれが理由なのでしょう。
もちろん、売人の方からも薬は没収、売人はどこかに連絡をしていますが、ゴーレムには視覚しか共有出来ないので、これ以上の情報は手に入らないですね。
もう少し改良が必要なので、マスターのやる気があるうちにポイントを稼ぐとしましょう。
少年達は元々親の財布からお金を抜き取ったり、色んな店で万引きを繰り返して、薬を買うお金を作っていたようです。
昨日の今日でまた薬がなくなり、スマホというもので少年達が話合ってくれたので、内容が分かりやすくて助かりますね
ゴーレムのテストに役に立ったので、都合のいい事にマスターが本を欲しがってましたから、早めに解決さしてあげましょうか。
少年達は薬の売人達に呼び出されていました、行動の速さはマスターに見習わせないくらいです。
マスターには薬の製作者が分かる人に辿り着くまで頑張って貰う予定です。
せっかく売人の方がすぐ先にいるのに、身バレ(気にして踏み出さないマスターに、知覚で見つけた少し汚いが愛嬌のある動物の被り物を、全部持って行ってマスターに選んで貰う。
マスターはウサギの被り物を選び、他の動物は勿体ないので空間収納に入れて貰いました。
思った以上に汚いかったのか、マスターから洗浄スキルを取得したいと確認されたので了承、これで新しいスキル二つ目達成ですね。
洗浄スキルは役に立ちそうなので良かったです、売人の方は予想を裏切り、いきなりの当たりでした。
薬を作ったのが魔法使いとか、興味深い情報ですが話を聞く限り、危険の方が大きそうですね。
そんな話を聞いたらマスターの方がやる気になってしまいました。
ダンジョンに進んで入ってくれるのは嬉しいのですが、変なスイッチが入ったマスターはとても心配です。
案の定、またおかしなペースでダンジョンを進んでポイントを稼いでいます。
魔法使いの正体が分からない以上、マスターの命が最優先で出来る限り、スキルを上げて使える様にしましょう。
階層ボスのサイクロプスとヒュドラは今のマスターならスキルを上手く使えばマスターなら倒せるので、スキル上達に丁度いい相手です。
モチベーション維持の為に新しいスキルの取得を許可したら、どういう訳か障壁という堅実な防御スキルを取得して驚かされました。
準備を整えて、魔法使いと対面すると、魔法使いと呼ばれていたのはリッチでした。
最初に知覚範囲をあっさりと突破されて焦りました、影を自在に操るのも厄介です。
さすがランクAの魔物です、ワタシに出来る事はリッチの位置を特定してマスターの援護をするだけ。
マスターがリッチの放った無数の棘に襲われた時は思わずステータスを上げてしまいました。
障壁かステータスのお陰か、マスターは無事でしたが本当に焦りました。
最後に意味深な事を言われましたが、マスターが無事で良かったです。
後日、元奥様と居酒屋での食事の際に、権田と遭遇し力加減を間違ってグラスを割ってしまいましたが、まだステータスの件は気がついていない様でホッとしました。
ワタシは全然悪くないのですが、マスターに怒られるのは嫌なので、どう伝えればいいか今から考えましょう。




