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打ち上げ

 俺は今たくさんの人たちに囲まれている。


「流石、先生は違いますね。いまや世界中で流行しているツェントシスの原作者にありながらも、決して傲慢にならない。いやぁ今まで見てきた人たちの中で一番人がいい」


「それはどうも…」


 正直こういう会話ばかりなので飽きてきた。父さんは社長さんたちと飲んでいるし、そもそも俺の周りに人が集まりすぎて抜け出せない。


「少し席を外しますので戻ってきてからでいですか?すみません」


 俺がそういうと1人の男性社員がフォローしてくれた。


「先生は少し疲れてるようだ。暫く一人にさせてやりな」


 すると取り囲んでいた社員たちが素早く道を作ってくれた。その光景を見た俺は苦笑いしながらホールを出た。そしてエレベーターに乗り屋上へ向かう。

 屋上に出ると涼しい風が肌を撫でた。空を見上げると満天の星空が広がる。


「綺麗ですね」


 ふと声が聞こえ後ろを振り向くとそこには暁夏鈴がいた。綺麗な顔が月明かりに照らされ美しい。


「夏鈴さん…そうですね。綺麗です」


「隣いいですか」


 俺が頷くと夏鈴は俺の横に腰かけた。微かな香水の香りが漂ってくる。


「ありがとうございます。ツェントシスの挿絵、書いていただいて」


 俺はそうお礼を伝えた。夏鈴はこちらを向き答えた。


「いえ、お礼を言うのはこちらのほうです」


 夏鈴は少し間をおいてまた何か言った。


「(かっこいい…)」


 その言葉は静かに虚空へと消えていった。

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