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僕の家族 後編

久しぶりです

前回のあらすじ!

 なんか色々あって安芸山さんが田中家の洗礼にあったよ!(適当)


 ☆


「ねえ、卓也、私たちの目の前でおっぱじめなさいよ、紅葉のためにもなるしさー」

「ふざけんな、この酔どれババア」

 自分の母親にかけてはいけない言葉を吐いてしまった。いきなりなに言い出すんだ、この人は。

「私は別に⋯⋯大丈夫⋯⋯大丈夫!」

「キャハハ、えー、にいちゃんやんないのー? 私興味あんだけど! キャハハ!」

「頭いかれてんのかお前ら?」

 なんでこの人達ノリノリなんだろう?

「⋯⋯パパって呼んでよ⋯⋯パパって⋯⋯」

 相変わらず父親はキモいし。

「ほーら、卓也、早く、早く! やーれ、やーれ、やーれ!」

「⋯⋯卓也⋯⋯脱ぎ脱ぎする?」

「ほーれ、にいちゃん、レッツゴー、レッツゴー! キャハハ、キャハハ!」

「⋯⋯僕は君のパパだよー⋯⋯3万払うよー⋯⋯」

 なんだこの地獄。

 僕は頭を抱えた。

 こうなった原因はわかってる。お母さんが厚底鍋で炒飯を作ろうとしてウーロンハイを一本ご飯の上にぶちまけて強火で一気に蒸発させたからだ。いや、もう何からなにまでおかしいのはわかってる。普通にどの行為も意味がわからん。

 とりあえず、その蒸発したアルコールを吸ってしまった未成年2人も酔っ払ってしまったみたい。

「⋯⋯卓也⋯⋯卓也⋯⋯たくやぁぁ⋯⋯」

「あれは⋯⋯上野投手!? サインもらわなきゃ!」

 もう紅葉幻覚見えてんじゃん。もうだいぶやばいじゃん。

 でも、どうしよう、この状況どうしよう?

 ⋯⋯⋯⋯よし!

「夜ご飯までにはかえってくるね!」

 この地獄を放置することに決めた。


 ☆


「あれ⋯⋯もしかして田中君?」

「えーと⋯⋯夏川さん?」

 ゲーセンで適当にクレーンゲームをしていたらクラスの女の子ー夏川結衣なつかわゆいさんに偶然遭遇した。なんだこの青春っぽいイベント。青春舐めすぎか。

「へー、田中君ってミ○キー好きなんだ。意外と可愛いんだね」

「いや、これは妹に⋯⋯」

「妹ちゃんいるの? ねえ、妹ちゃん可愛い? 何歳? 妹ちゃんのためとか優しいね!」

 そう言ってキラキラ笑顔を向けてくる夏川さん。だからなんだこの青春イベント。


「⋯⋯へー、そうなんだ! またクラスメイトと一つ距離が縮まっちゃったね!」

 ⋯⋯やばい、笑顔がめっちゃ可愛い。完璧に惚れちゃいそう。

「そうだ、田中君の秘密を聞いたから私の秘密も言うね! 実は私ね⋯⋯恋バナが大好きなんだ! だからもし田中君が恋したら教えてね! じゃあね、チャオ!」

 そう言って夏川さんはゲーセンから出て行った。

 しかし恋か⋯⋯

 安芸山さんのは⋯⋯恋って言うんだろうか?

 正直可愛いとは思うけど⋯⋯言動あれだしな⋯⋯


 ☆


「ただいま〜、ってなにがあったんだ!?」

 適当に時間を潰してかえってくるとビックリ仰天、家具や壁が傷だらけ! それにみんなぶっ倒れてる。

 そんな状態に唖然としているとズルズルと服を引きずる音。このシルエットは安芸山さん?

「⋯⋯卓也⋯⋯」

「あ、安芸山さん! なにがあったの!?」

 死にそうな安芸山さんの顔がよりキュート⋯⋯じゃなくて! どうしたんだよ!

「あ、あのね⋯⋯紅葉ちゃんが『上野投手と対戦だー!」って言って家の中でバット振り回してね⋯⋯誰も怪我はしてないけど家の中がめちゃくちゃに⋯⋯」

 そう言って力尽きた。

「なるほど、よくわからんけど、わかった。とりあえず⋯⋯」

「とりあえず⋯⋯?」

「お説教するからみんな起こして!」

「わぁ、鬼だぁ⋯⋯」

 ちょっとレイプ目っぽいのも可愛いからずるい。


 ☆


「まさか自分の息子に説教される日が来るとは⋯⋯」

「それだけ成長したってことよ⋯⋯」

「にいちゃんの成長を喜ぼうよ!」

「卓也⋯⋯流石!」

「お前らちゃんと反省してんのか?」

 説教したのに全く響いている様子がない。

 とりあえず家にある酒瓶は叩き割ってやろう。

「まぁ、まぁ、卓也、誰も怪我しなかったからいいじーねえか!」

「壁ボコボコなんだけど!?」

「それはお金を出せば治る⋯⋯でも体の傷は一生残るかも知んねえだろ?」

「全然いいこと言ってないからな」

 雰囲気で誤魔化そうとするのは田中家の悪い癖だ。

 僕も気をつけなくちゃいけない。

「ま、ま、お父さんの言う通りみんな怪我しなくて良かったじゃない! ⋯⋯あ、そうだ、今日は梨花ちゃんの歓迎パーティー開くから卓也と梨花ちゃんで食べたいものかってきないさいよ!」

「え、なんで俺まで?」

「客人1人に買い物にいかせるわけにもいかないでしょ? ほら、ちゃっちゃと行く行く!」

 そう言って背中をポンポン押されて追い出された。

 なんなんだよ、この人達。


 とりあえず買い物には向かうことにした。

 でも、あんまり喋ることも(文句はあるけど)なく、気まずい空気が流れる。なんか喋らなきゃ。

「⋯⋯ごめんね、安芸山さん。こんなよくわからない茶番に巻き込んじゃって」

「⋯⋯大丈夫、楽しいよ。わたし、こういうの久しぶりだから、嬉しいの」

「⋯⋯そっか、じゃあ買い物いこっか。何食べたい?」

「オムライス!」

 最高の笑顔にドキッとした。


 ☆


「疲れたー、寝る、まだ9時だけど今日は寝る、眠い!」

 歓迎パーティーは割となんもなく普通に終わった。

 お父さんが酒瓶割られて泣いてたくらい。

 普通に安芸山さんは田中家に馴染んでいた。波長が合うんだろうな。

 しかし今日は疲れた、本当に疲れた。

 なんか安芸山さん関連ではちゃめちゃめっちゃに色々あった。

「⋯⋯なんて考えても疲れるだけだ。僕は寝るぞ、おやすみ!」

 豆球をつけて睡眠態勢に入る。おやすみー。



「⋯⋯あれ、卓也、もう寝てるの?」

「⋯⋯」

「ごめんね、今日は色々迷惑かけちゃって⋯⋯ほんとごめんね⋯⋯でも嬉しかったんだ、卓也に会えてさ、ほんとにね⋯⋯」

「⋯⋯」

「⋯⋯なんて湿っぽいよね、ごめんね⋯⋯って寝てるよね、うるさくしてごめんね⋯⋯おやすみ、た・っ・く・ん・⋯⋯」


 ☆


「⋯⋯ん、よく寝た⋯⋯今何時だ?」

 時計が指し示す時間は8時ジャスト。11時間睡眠気持ちいい!

 ⋯⋯

「遅刻じゃねえーか!」

 急いで着替えて1階に向かう。

「あ、卓也、おはよー、梨花ちゃんも紅葉ももう学校行ったよー」

「でしょうね! 遅刻するんで行ってきます!」

 なんか昨日もこんな感じだったような⋯⋯なんもなければいいけど⋯⋯」



 ☆


「よっしゃ、ギリギリセーフ⋯⋯ってあれ? みんなどうしたの?」

 遅刻ギリギリで教室に滑り込んだらみんなの視線が僕の方へロックオン! いやん、照れちゃう⋯⋯じゃなくてなんだこの視線? 今日は遅刻してないよ?

 意味がわからずオロオロしていると夏川さんが近づいてきた。なんだ、なんだ?

「ねえ、ねえ、田中君、田中君! 安芸山さんって付き合ってるって本当?」

「はぁ?」

 いきなり何言ってんの、この人? 恋バナ好きすぎて妄想始めちゃった?

「だって一緒にかえって買い物行って親にも挨拶したんでしょ!」

「え、まって、ほとんどあってんだけどなんで知ってんの!?」

「田中君も言ってるってことはほんとに本当なんだ! やばい、テンション上がってきたぁぁぁぁ!!!!」

「結衣、血圧、血圧あがっちゃうから!抑えて、頑張って抑えて!」

 夏川さんはちょっと残念な美人なんだ⋯⋯じゃなくて、この情報が漏れてるってことは⋯⋯

 安芸山さんの方を見る。珍しく人に囲まれて楽しげに、誇らしげに話していた。内容は勿論僕の話。

「ちょっと安芸山さん!?」

「もう安芸山さんじゃないでしょ、恥ずかしがらないでちゃんと梨花って呼んで、た・く・や♡」

「!?」

「可愛い、尊い⋯⋯きゃぁぁぁぁ!」

「だから結衣、血圧、血圧がオーバーフローしちゃう!」

 ⋯⋯もうなんかパニックだわ。頭がパニック。

 安芸山さんを取り囲んでいた女の子達からは歓声が、男たちからは嫉妬の視線が飛んでくる。

 パニックに陥っている僕の耳に安芸山⋯⋯梨花が囁いてきた。

「と言うことでこれからもずーっと、地獄の底までよろしくね、卓也♡」

 そう言ってイタズラに微笑んだ。

 ⋯⋯どうやら僕はこの娘から逃げられないみたいだ。なんだか自然にため息が漏れた。

「おい、卓也、てめえため息なんかもらしてんじゃねえよ!」

『そうだ、そうだ!』

⋯⋯男子陣がうるさすぎる。人の気も知らないで。



⋯⋯これは、ある男女が繰り広げる青春のほんの始まりの1ページである。この先に何があるか、どんなものが待ち受けているか、彼らはまだ知らない。ただ、わたしから言いたいことはただ一つ。


リア充爆発しろ!


毎週5〜6こレポートとかふざけんな、まじで

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