表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/91

72:毒使い、また死にそうになる



 包丁と忍刀を発注してから一週間が経った。

 当然、朝から『刀鍛冶 ブラッス』に行って受け取りを済ませた。

 包丁は刃が80cmくらいある刺身包丁といった感じ。鍔もない細身の包丁だ。それが二本。

 やはりと言うべきか、リーナには装備が可能だった。どうやら刀とは見なされないらしい。それが材料の問題なのか造りの問題なのかは分からないが、とりあえず装備できた事にホッとした。


 冒険者としての活動はぼちぼち。

 毎日、だいたい半日くらいは特訓に当てて、それ以外を採取や討伐の依頼に当てている。

 場所は当然、南の森の近辺。だから戦うとしてもコボルトとか、せいぜいオークくらい。それもまた特訓みたいなもんだから弱くても気にしないんだけど。



「ふぅ、やはり二刀流は難しいですね。<包丁術>の補助があっても勝手が違います」


「無理して二本使う必要はないよ。別に二本使ったからって攻撃力二倍になるわけじゃないし。むしろ一撃の威力は下がるわけだから」


「ええ、ですがせっかくなので使いこなしたいです。結果的にこちらの方が攻撃にも防御にも優れていると思いますので」



 何とも言えない所だけど、私としては浪漫重視だからなぁ。防御を重視するなら一本脇差サイズにしたほうが良いし。

 まぁどういう形であれ、リーナが納得して使うのが一番だと思うよ。

 私だって回避大剣なんて非効率なことやってるわけだし。



「ワタクシも負けませんわよ! 忍刀二刀流を使いこなしてみせますわ!」


「サフィーはそのせいで投擲と忍術の機会が減ってるんだからほどほどにね。あくまで中衛の遊撃だから」


「うっ……分かっておりますけどぉ」



 張り合うようにサフィーも忍刀の二刀流を使いたがる。

 しかしそうなると前衛過多になるんだよね。私も前衛がごちゃごちゃしている所に<毒弾>撃ちこみたくない。

 おまけに順手か逆手かもまだ迷ってる状況でね。私としては順手の方が良いと思うんだけど、忍者的浪漫を求めるなら逆手なんだよね。


 そんな感じで着々レベルアップを図りつつ、特訓しております。



 それとこの一週間での変化として、まずネルト、リーナ、サフィーがランクアップした。

 これで私、ポロリン、ネルトがDランク。リーナとサフィーがEランクとなり、パーティーとしてはDランクとなる。

 Cランクの依頼まで受けられるってわけだね。


 ちなみにネルトの昇格試験の試験官はまたもネロさんだった。

 どうもネロさんが試験官になる事は滅多にないらしく、私たちがギルマスのフォルネーゼさんに目を付けられているから、わざわざネロさんを当てているらしい。

 力量を把握しておきたいとか何とか。どうりで強いはずだよ。迷惑な話しだ。


 結果は負けです。

 一矢報いる感じで<念力>の不可視攻撃で叩いたり足引っ掛けて体勢崩したりしたけど、<念力>じゃダメージあんま与えられないし、ポロリンを倒したネロさんの攻撃をネルトは防ぎきれるわけもない。

 それでもネロさんは感心したようで合格となりました。



 装備の変更は武器だけではなく、リーナは防具も変わっている。

 今の彼女はメイド服ではない。そう、私やネルトと同じ、ファンシー装衣を着ている。スカートは色違いで緑のタータンチェック。

 そこに白いエプロンを付けている。このエプロンもまたマリリンさんの手による付与がされている魔装具である。フリル付き。


 さらには外套を変更し、私たちと同じく動物シリーズ、紺の犬になった。垂れ耳つきのワンワンケープ。

 ブーツとグローブもワンワンシリーズ。まさに一新という感じ。

 つまり、スクール系を着た王女様がエプロンを付けている。ここまではいいのだが、手足と頭がワンワンになり、腰には二本の包丁(刀)を下げているというなんとも不可思議な装いとなった。


 当然サフィーは「ワタクシもファンシー装衣着たいですわ!」と言い出したが、やはり装備できずに忍び装束のまま。ぶーたれている。

 対して一人だけモフモフ動物シリーズを身につけていないポロリンは強情にも「ボクは嫌だ!」と謎の拒否を見せる。むぅ、ポロリンが着たら絶対かわいいと思うんだが。



 あと、新たな発見として、市によって売っている食材が変わるという事が分かった。

 つまり近所の『中央区東市』では売っていなかったものが他の区、他の市であれば売っている。考えてみれば当たり前のことだが、大いに助かった。

 というのも、卵、米、醤油、酒、酢、味噌まであったのだ。酒と酢に関してはワインとワインビネガーをすでに持っていたのでそこまで感動しなかったが、特に米と醤油には驚いた。


 王国では主食はあくまでパンであり、米を食べるのはごく一部の地域らしい。おまけにジャポニカ米などではないし、見た目的にも長細い。

 それでも買うがね! 土鍋も買いましたよ。えぇ。



 そんなわけで引っ越し二日目から自炊をし始めました。ポロリンが非常にやる気だったので。

 私も基本的にはポロリンに任せるつもりでいたんだけど、卵と酢が手に入れば話しは別だ。

 さあ、始めようか! マヨネーズ無双を! この世界の食事に革命を! マヨネーズによる食材蹂躙が今始まる!


 ……ということで、卵黄に少しずつ油を加えながらひたすら混ぜる。

 もちろんミキサーなどないので手動だ。ホイッパーはないけど、代わりに菜箸を束ねたようなものがある。泡だて器と呼んでいいのか分からないが。

 これを敏捷ステータスを最大限に利用してのマゼマゼ。


 酢と塩胡椒で整えたら出来あが………ん?



「……ピーゾンさん、なんか紫になってない?」


「……だね。なぜ?」


「ちょっとピーゾンさぁん!? キッチンから危険な気配がしますわ! ワタクシの<忍びの直感>がガンガン警報鳴らしてましてよ!」



 あ、あれ? これか? これが危険だってか?

 えっ、なんで紫になんの? 卵と油と酢と塩胡椒……紫要素ないんだけど。

 さすがに何かの間違いじゃ……ちょっとだけ舐めてみよう。


 ――ペロッ


「ぐああああっっ!!!」


「「ピ、ピーゾンさん!?」」



 身体の中から殴られたような衝撃。とても立ってられない。汗が噴き出て、目がチカチカする。

 嘘でしょ……ス、ステータス!



―――――

HP:206→1

状態:メシマズ毒

―――――



 なななっ!? メ、メシマズ毒って何!?

 と、とにかくヤバイ! 残りHP1って何よ!

 毒だってんなら解毒ポーションでいけるか!?

 急いでポーションホルダーから下級解毒ポーションを一気飲みする。


 ……ダメか!? じゃあ中級解毒ポーションを一気飲み!



―――――

HP:1→206

状態:

―――――



「ふぅぅぅ…………助かった……」



 どっと流れた汗をぬぐう。何だったんだ今のは……中級じゃないと解毒できないの? あのメシマズ毒とかいうのは……。



「だ、大丈夫ですの!? ピーゾンさん!」


「毒!? 中級まで飲んでたでしょ!」


「えっと、かくかくしかじか―――」



 一口舐めただけで死にかけた私にパニクったポロリンとサフィーが詰め寄る。

 そりゃパニックだよね。でもね、私もパニックだったんだよ?

 何、メシマズ毒って。まるで私がメシマズのようじゃないか、失礼な。

 あーこれはあれだね、きっと【毒使い】になってしまった呪いのようなもので、私が調理したものに毒が混入されるようになってしまった的なアレだと思うよ。うん。


 えっ、<毒精製>にメシマズ毒は入ってないだろって?

 それじゃ何かい? (ジョブ)どうこうじゃなくて私がメシマズだって? HAHAHA! 冗談きついぜ!

 だってマヨネーズ混ぜてただけだよ? いくらメシマズでも毒になる事なんてないでしょう?

 そりゃあ前世だって何だかんだで自炊はしてないし、今世だって一回しか……あ、確かその一回の時にお父さんが……じゃああの時お父さんが死にかけたのは……えっ、【毒使い】関係ないって事?


 け、検証してみよう。


 まず私が超簡単な目玉焼きを作ってみる。

 ……あれ? 黄身と白身は知ってたけど紫身なんて知らないなー(棒読み)



「ど、<毒感知> ……うわっ」


「いや<毒感知>するまでもないでしょ」


「もはや<忍びの直感>じゃなくても危険な気配がしますわ」



 続いてポロリンにマヨネーズを作らせてみる。

 うんしょうんしょと混ぜるポロリンは可愛い。

 頑張れ! それを続けると腕が筋肉ムキムキになるぞー!


 そうして出来上がったのはクリーム色の見るからに滑らかなマヨネーズ。



「ど、<毒感知> ……大丈夫……だと?」


「なんで残念そうなの、ピーゾンさん」


「んまぁ! なんですのこれは! 美味しいですわ!」



 ……どうやら私は料理をしちゃいけないらしい。

 解体は出来るのに、なんで料理はダメなのか……。

 お父さん、殺しそうになってごめんなさい。



―――――

名前:ピーゾン

職業:毒使いLv35(+1)

武器・魔鉈ミュルグレス(攻撃+150・状態異常特攻)

防具・ウサウサケープ(防御+15・気配察知)

   ウサウサグローブ(防御+10・状態異常耐性(抵抗+20))

   ウサウサブーツ(防御+10・俊敏+10・跳躍強化)

   ファンシー装衣(防御+15・運+10)


HP:211(+5)

MP:239(+6)

攻撃:161(+6)(+150=311)

防御:15(+0)(+50=65)

魔力:186(+6)

抵抗:57(+1)(+20=77)

敏捷:253(+7)(+10=263)

器用:107(+3)

運 :48(+1)(+10=58)


スキル:毒精製Lv4、毒弾Lv3、毒霧Lv3、毒雨Lv2、毒感知Lv5

毒精製=衰弱毒・麻痺毒・腐食毒・猛毒

―――――

名前:ポロリン

職業:セクシーギャルLv26(+2)

武器・白銀のトンファー(攻撃+12、防御+10)

防具・萌芽の武術着(攻撃+5、防御+20、敏捷+5)

   ピンクプラチナブーツ(敏捷+5、防御+10、ノックバック耐性)


HP:193(+13)

MP:44(+3)

攻撃:198(+15)(+17=215)

防御:204(+16)(×1.2=244)(+30=274)

魔力:14(+0)

抵抗:17(+1)(×1.2=20)

敏捷:45(+4)(+10=55)

器用:73(+5)

運 :106(+7)


スキル:挑発Lv3、呼び込みLv3、セクシートンファー術Lv3、魅惑の視線Lv2、健康体Lv1

セクシートンファー術=トンファーキック、ハートアタック

―――――

名前:ネルト

職業:ニートの魔女Lv23(+2)

武器・ネコネコロッド(魔力+10、消費MP軽減)

防具・ネコネコローブ(防御+7、抵抗+5、MP回復増進)

   ネコネコブーツ(防御+7、敏捷+10、落下衝撃耐性)

   ファンシー装衣(防御+15・運+10)


HP:77(+7)

MP:174(+14)

攻撃:12(+0)

防御:59(+4)(+14=73)

魔力:170(+15)(+10=180)

抵抗:153(+14)(+5=158)

敏捷:62(+4)(+10=72)

器用:101(+9)

運 :154(+14)(+10=164)


スキル:生活魔法Lv3、空間魔法Lv3、念力Lv4、室内空調Lv2、瞑想

生活魔法=着火・給水・乾燥・洗浄・照明・手当

空間魔法=グリッド・ホークアイ・空間斬り

―――――

名前:ダンデリーナ・フォン・ジオボルト

職業:サシミタンポポLv20(+3)

武器・刺身包丁・打刀拵え×2(攻撃+27)

防具・ワンワンケープ(防御+17・警戒)

   ワンワングローブ(防御+10・攻撃+5)

   ワンワンブーツ(防御+10・敏捷+10・踏み込み強化)

   蜘蛛糸のエプロン(防御+8)

   ファンシー装衣(防御+15・運+10)


HP:138(+20)(×1.2=165)

MP:76(+11)

攻撃:150(+22)(+32=182)

防御:82(+10)(+60=142)

魔力:29(+4)

抵抗:55(+7)

敏捷:141(+19)(+10=151)

器用:97(+13)(×1.2=116)

運 :173(+22)(+10=183)


スキル:タンポポ乗せLv3(+1)、解体Lv3(+1)、包丁術Lv3(+1)、パッケージングLv2(+1)、熟練職Lv1(New)

包丁術=ぶつ斬り・短冊斬り(New)

―――――

名前:サフィー・フォン・ストライド

職業:スタイリッシュ忍者Lv19(+3)

武器・忍刀・闇風×2(攻撃+20)

   クナイ等暗器類

防具・コンコンローブ(防御+18・炎属性強化)

   コンコンブーツ(防御+10・敏捷+10・跳躍強化)

   スタイリッシュ忍装束(防御+15・敏捷+10)


HP:93(+14)

MP:138(+20)

攻撃:133(+19)(+20=153)

防御:26(+4)(+43=69)

魔力:113(+16)

抵抗:68(+11)

敏捷:173(+23)(+20=193)

器用:167(+22)

運 :8(+1)


スキル:忍びの直感Lv2、スタイリッシュ忍術Lv2、短剣術Lv2、投擲Lv1

S忍術=火遁、水遁、隠れ身、影縫い

短剣術=急所突き

―――――




ドゥーデドゥデーン、ドゥードゥデドデーン

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ