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#41 クロモリさんと女護衛

 翌朝、クロモリさんはギルドの応接間で女冒険者と2人で待っていた。

 女冒険者はクロモリさんがこちらにきた初日目に護衛についた人らしい。

 彼女は立ち振る舞いからして洗練されており、だいぶできる人間であることを予想させた。

 

「これで、安全マージンはとれました、一緒にダンジョンにいきませんか!」


「いや~、これは俺がいないほうが、安全なんじゃないかな?」


 守る人も減るしと言うと、クロモリさんは少し納得してしまったのか、グヌっとなった。

 彼女もやはり俺を弱いと思っているようだ。悲しいが間違ってない。


「地道さん、いつまでもそうしていてもダメだと思います。いい機会だと思って一緒に行きましょう!」


「必要な分は稼げてるから大丈夫だよ」


「でもでも、たくさん稼げると帰れる日も早まりますよ!」


「早く帰れるようになると、俺とすぐに会えなくなるけど大丈夫?」


 おそらく彼女は俺に好意を持っている。そこをつつくとグヌヌとなった。

 そのとき隣にいた女冒険者の目が少し険しくなるのが分かる。

 大丈夫サイテーなことは理解してます。


「魔法のアイテムがもっと買えるようになりますし」


「もう十分に買えてるんだよなぁ」


「でも、もっと…」「その辺にしとこうか」


 女冒険者が見かねて、声をかけてきた。


「どうにも彼は、ダンジョンの奥にもぐる気がないみたいだ。いくら説得しても無駄じゃないかな」


 女冒険者は見た目の印象を損なわない、かっこいいハスキーボイスをしていた。 大人の女性っぷりが様になりすぎている。ちょっと惚れそう。


「シーナさん!それを説得するのも、あなたの仕事なんじゃないですか」


「地道に関しては、もうギルマスも自由にさせておけってさ。無理させるのはよくないよ」


 彼女はどこにも味方がいないと悟ったようだった。「もうっ」というと、一人足音を怒らせながら、外にでていく。

 それを追いかけるように女冒険者シーナさんもドアに手をかけた、そして、出る前にこちらをみて


「悪いね。しかし、私に言わせてもらうと、君かっこ悪いよ」


と釘をさしてくる。

 そりゃそうだろう、わかってやっている。どうみても玉なし野郎だ。


「すみません。でもソレ、もう慣れました」


 処置なし。そう肩をすくめると彼女は今度こそ外に出ていく。

 

(嫌われたかな)


 数日前に比べて、今回はだいぶ好感度を落としてしまった。

 しかし代わりに、俺が下に潜る気がないことが伝わったことだろう。

 これで誘われることも減るに違いない。

 彼女が怪我をしないか、無茶をして致命傷を負わないかだけが心配だった。

 その懸念も護衛がついたことで、解決だ。

 俺は内心気楽でいいなと、ろくでもないことを思いながら、仕掛けを仕込みにダンジョンに向かうのだった。

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