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「負けられる戦いって野球の消化試合以外に有るのかな?」

コメディって、ホント難しい!!



 足元から急激に上がる水位。


 足に触れる水の冷たさは一瞬で身体の自由を奪い……かんがえるちからをなくしていっちゃうよ……


 マジでヤバいぃ……わたし……およげたっけ……



 だんだん、みずが……こしから、うえに……しんぞうまで…………




 ふぅ……こうやって……しぬのか…………ヨシオさん、ゴメンね……ごはん、いっしょに……おふろ、いっしょに……



 …………もう、ヨシオさんに……あえなく……なるの……?


 ……そんなの、そんなのっ!!!



 「……イヤ! 嫌だ! ぜーったいにイヤよっ!! 誰が死ぬもんですかっ!! 省略魔導! 【デモリッション・ハンマー】招来!!」


 咄嗟に意識を掴み、抗う為に気合いを入れ直して、いつもと違う省略魔導で背中のウェポンラックになっていたステッキを変化させて、ゴツい両手持ちのハンマーにメタモらせたら、まず安全レバーを握り締めてッ!!


 「こんなモン……叩き壊すわよッ!!」


 ……狭い空間で振り上げて、渾身の力を籠めて一気に振り下ろすッ!!



 コッ、ドゴォンッ!!!


 掌に伝わる強烈な反動と共に、魔力の結晶を詰め込んだ薬莢が猛烈な爆発を生み出して、破砕ニードルを壁にめり込ませる!!


 ……でも、まだまだ足りないッ!! 急いで安全レバーを引き上げて空薬莢を排出して再度、叩き付ける!!



 「……まじかるぅ……火事場の馬鹿力ぁ~ッ!!!」


 ゴッ、グゴォンッ!! ピキンッ!!


 有り得ない位の力で加速させたハンマーが、同じ場所に激突した瞬間、水晶の壁に亀裂が入る……で、でも……壊せない……嘘!? ダメだ……冷たくて……腕が……上がらない…………



 《 ム ダ ナ コ ト ヲ …… ウ フ フ フ フ …… ッ ? 》


 「ふざけんなぁ~ッ!! おねぇちゃんをいじめるな~ッ!!!」


 視界の隅でほくそ笑む【カイジョ】に向かって、物凄い速度で飛び掛かるぴゅあ☆ラフレシア……でも、見た目が擬ロリな和子に戦う力なんて……あったかしら……?


 「……【魔法少女】をなめんなってのッ!! 《まじかる☆養分吸収》ッ!!!」



 ……何それ!? 和子の【ぴゅあ☆ラフレシア】って、名前の通り、ジャングルにひっそりと咲くラフレシアが元だったけれど……あー! 寄生植物のラフレシアって、宿主の樹木から養分を吸収するんだっけ?……って、ことは……



 《 …… ナ 、 ナ ニ ヲ ス ル …… ッ ! ? 》


 「おほほ~っ!! ……くるわ、くる……養分が……きちゃうわよぉ~!!」


 ピキピキ……って音がしそうな位に魔力を吸収してる【ぴゅあ☆ラフレシア】こと和子が、擬ロリータ体型からぎゅんぎゅんと大人体型に変化していく……ありゃ? コスチュームのフレアーミニスカートが、大胆なフレアー超ミニスカートになってます、あはは……


 「ぷっふぁ~あ♪ いやぁ~、ひっさびさに大きくなったなっ!! こりゃ【ぴゅあ☆超ラフレシア】って感じかしら~? ……さってと! ……【全にして壱、壱にして全なる精霊】よ! 招来っ!! 《まじかる☆カイザーナックル》!!」


 いつの間にか手にしていたステッキを変形させて、やたらとごっついナックルへと変えた【ぴゅあ☆超ラフレシア】……って、超が多くてウルサイなぁ……


 「えへへ……こーなったらやる事は一つだよね!? ……ひたすら殴るわよッ!!!」


 脚を【カイジョ】に絡み付かせながら、振り上げた拳を容赦無く叩き付ける姿に、ヨーチューブ撮影隊もカメラを向けながら声援を送ってるわ!!


 「「「こっろっせっ!! こっろっせっ!!」」」


 ……ぶふっ!? あー、倫理的に問題有り過ぎて、コメントのしようもないや……


 こーして私は意思を……失った……



✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳





 …………あ、おばーちゃんだ……ひさしぶりぃ~……でも、おかしいな……たしか、おばーちゃんは……


 きれいな川のちかくで、むこうがわにいるおばーちゃんがてをふってるけど……なんだか、こわいかおしてる……


 ……あ、あれはわたしがいたずらした時のかおだ……って、ことは、おこってる……?



   《……こっちゃ、くんなっ!! おめぇ、まだ……()()()こさえてねぇべっ!! 》


 ……ん!? おばーちゃん、わたしが、けっこんした後に……そうだっ!!





 「ほーりぃちゃん!! 大丈夫っ!?」


 ……気がついたら、いつの間にかじゃむキャット先輩に抱き抱えられて、揺らされながら名前を呼ばれてた……


 「……おばーちゃんに、追い返されましたぁ……じゃないっ!! どうやって私、出られたんですかっ!?」


 「ぱおおおおおおおおおぉ~~んっ!!」

 「ご無事で何よりです、ほーりぃ☆パルすいーつさん。」


 あー、成る程……力持ちサンなタイプが助けてくれたみたいですね……聞き慣れた雄叫びが、今は物凄く安心するなぁ~。


 「あ、有り難う御座いますっ!! ……えーっと、ぞう……さん?」

 「……なちゅらる☆エレファントです。ちなみにこっちはフェルデナントと言う名前です。」


 ……こか……いや、下腹部の象さんに名前があったんですか!? つ、強そうな名前ですね!!


 「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ~っ!!!」


 ……あ、まだぴゅあ☆ラフレシアな和子がバグゴチュ言わせながら拳を振りかぶってる。でも……【カイジョ】はまだ……あれ?


 全体的に真っ黒でとろけた胡麻アイスみたいだった相手は、和子に魔力を吸われて動かなくなったと思ってたけど、様子が変ね……ん?


 「かずこッ!! 急いで離れてっ!! ()()()()()()()()()()


 私の声に緊迫した空気を察したのか、一瞬で最大速度を得る力強いジャンプで真横に飛ぶぴゅあ☆ラフレシア。そして直ぐ後に……僅かに縮んだ後、


 ……ぐちゃっ!! って飛び散りながら【カイジョ】は爆発!? しちゃった……倒した……いや違う!!



 【ふあああぁ……やっぱり魔導装甲増し増しだとかったるいわねぇ……♪】


 ぐずぐずと黒いスライムみたいなのが落ち切ると、そこには真っ黒なドレスを着た、コーモリみたいな羽根を生やした【カイジョ】が笑いながら……浮いていた。




この作品のイメージソング「スタイリッシュ☆まじかる♪アラサー魔法少女!」を作詞してみました。初めての挑戦ですが、後悔はありません。……ご感想そしてブクマお待ちしております!!

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