#2 はじめまして被告人
「アルバ法律事務所の弁護士の望月です」
「同じく、北本です」
二人が、面会室にて本事件の被告人の速水祐二に挨拶をする。速水は、ずっとぼーっとしている。
「あなたは、誘拐容疑は認認めていますが、殺人と死体遺棄容疑は否認されているそうですね」
速水は何も喋らない。ずっと望月の顔をぼーっと眺めている。
「速水さん?」
望月が話しかける。
「あ、すいません。弁護士さん、俺は殺したりなんかしてねぇんだ。信じてくださいよ。誘拐したのは犯罪だし反省もしています。でも、俺は誰も殺してない!」
速水が泣き叫ぶように望月たちに訴えた。
「あなたは、小学3年生の矢野優希ちゃんを路地裏に連れて行き、頬と唇にキスをし、服を脱がせ体の8箇所を舐めるなどをした。そこまでは、自白されていますね。そこからどうしたんですか?」
北本が確認をした。
「そのあとは、服を着せて口止めのお菓子を渡してそのまま帰しました」
速水が、小声で言った。
「なるほど、あなたは本当に殺人は行っていないんですね」
「はい。やってません。だからお願いします。俺を弁護してください」
速水が涙ながらにそう答えた。
「わかりました。あなたが殺人者ではない証拠を必ず掴んで見せます」