第2章1ー4
これまで地球上で多くの画家や芸術家、詩人によって描かれ、詠まれてきた数々の絵や絵画やヴィジョン、断片的なスケッチ、言葉の種々は、どれひとつとして、同源の幾つかの雲、同源の太陽、エンジェルラダーなどが嫋やかに、時には、アバンギャルドに描かれ、詠まれてはいるが、しかしながら、どれひとつとして、どれひとつとして、同じものは、ないのであろう。それは、たとえば、世界樹で象徴されるように、根っこや流れている生命の幹は同じなのだが、枝葉や梢、それからなっていく実や蕾、萼や花びらが、彩り豊かに、多様であり、異なるのと、同じであるように。この一様性と多様性の螺旋のパラダイム、一見矛盾や混沌にも感じてしまう営みも、確かに全宇宙の根底に流れている、ひとつの秩序として存在しているものでもあり、それを悉さに捉えた、画家や芸術家、詩人が持っている調和的な美と愛の生命の躍動やその親和性などの、代わりというものは、後にも先にも、決してないのであろう。何気にも感じてしまった、あの歌、この絵、かの舞踊、あなたやわたしに流れている命は、歴史上で、ただ一度だけのことだ。
このワラコの街にも、そのような空の世界が、ありあまるほどの、完全なエッセンスと循環を持って、手招きをしていた。
あれから2日が過ぎていた。アミ達には、もはや恐れも不安も入る隙間もなく、いつも通り、アメオで楽しく働いていた。
王はしばらく、倒れており、目覚めても、ふにゃふにゃと、神からの促しがあったのか、どうかは、現時点では定かではないが、何も話せなくなっており、王の家来達は、絶対だと思っている王からの命令もない為に、待機せざるをえなかった。