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こちらは見切り発車なので、到着地点が不明です。

 

 本当に一瞬で魔物がうじゃうじゃいる場所に転移した。

 魔法って凄い。

 目の前にいる真っ黒かつばかでかい(5×8メートルくらいありそう、尻尾含まなくても?)ドラゴンがいる。

「おい…、死ぬ気か?」

 背後に貼り付いたまままだショックが抜けきれてないクレイルの呟きに答えてやるつもりはない。

 因みに転移作動時クレイルの側近も咄嗟にクレイルにしがみついたので騎士団が3人背後にプラスされている。


「あなたがやれって言ったんでしょ?ーーアレ倒すのに邪魔だから離してくれない?」

「バカを言うな!離れろ!」


 ーー本気か?いきなり単身であれに挑むなど自殺しようとしてるとしか思えない。奴の黒い口は今にも灼熱の炎を吹き出しそうだ。何とか引き離さなければ。


 腕に力を込めた途端、目の前のドラゴンが吹き飛んだ。

 いや、正しくは消し飛んだというべきか。彼女の右手から放たれた一撃で、燃えて、一瞬で消し炭になって霧散した。



  ーー凄いな。魔法って。一撃でコレとか。私は素直に感心した。

 戦い方はわかってる。魔法の使い方も。あの時勝手に入りこんできたのは多分歴代の聖女達の戦ってきた記録。

 記憶じゃなくて記録っていうのはそこに感情がなかったからだ。魔物を倒したり斬ったり封印したり?その時の感覚を”体が覚えてる”という感じ。そこに彼女達の感情は存在してない。良い事だ。その時の感情とか他人に継承されたらヤだもんね。

 そして多分感情がないからこそはなからこんな真似が出来る。


「なんで驚くの?あなた達の手に負えないから私は呼ばれたんでしょ?」

 単純な労働力としてアナタ達はこの世界に必要、だけど聖女に対して出来る事はない。

 何もない。

 コレが真実。



  ーーだから、離して。

 そう言って腕を振り払う彼女にかける言葉がみつからない。

「ぼけっとしてないで下にいる人たちの救出と避難指示でも出したらどうなの?騎士団の皆さん。」

 言われてはっとする。

 自分達は宙に浮いたままだが眼下の村はあらかた焼き尽くされて酷い有り様だ。悲鳴や怒号も沢山きこえる。


「しかし、君はどうする」

「次にヤバい奴のとこに行く。でかい奴から倒してった方が被害は少なくて済むでしょ。さっきのマップは出したままにしておく。点滅が消えれば倒せたってわかるでしょ?ここの避難が終わったら同じルートで同じ様に転移してついて来ればいいんじゃない?」

「し、しかし聖女様っ…!我々が使う転移魔法では移動距離に限りがあります!今の貴女がしたような転移は我々には無理です…!」

「その辺は自分達で何とかして。」


 騎士団の人(名前知らない)の訴えを無視してとっとと転移した。目の前にいるラスボスタイプの魔物を一撃必殺仕留めてついでに周りの中級クラスの数を減らし、次の場所に転移。私はそれを繰り返した。

 6つ目のラスボスを倒したあと、クレイルが現れた。

「ツキナ様!」

「何?」

「ケガは…してないようだな」

 みりゃわかるだろそんなもん。

「王宮には報告をした。君がまわった場所には魔法使いと騎士団の合同部隊が鎮静に当たっている」

「…そう」

 良かったわね。

「君はーーあれだけ倒して何ともないのか?」

「見ればわかるでしょ?監視したきゃお好きにどうぞ。ただし邪魔はしないで?」

「ケガのあるなしじゃない!あれだけの魔力を使い続けて反動はないのかときいてるんだ!」

「ないよ」

 反動はない。消耗はしてるけどね?

「こんな短時間にあんな使い方は正気の沙汰じゃない」

「それを望んだのはあなた達でしょ?」

 絶句するクレイルにちょっとだけ溜飲が下がる。


「…本当に体には何の影響もないのか?」

「あってもなくてもあなたに報告なんかしないよ?」

 ーーもう猫を被る必要もないしね?

 言い終わると同時に体が抱きあげられる。

「ーーならば無理にでも休んでいだこう。この世界にはあなたが必要なのだから」

 やっぱりこいつの観察眼侮れない。嫌だな。居心地悪い。お姫様抱っことか。

 実際私は体力がある方じゃない。本当に魔法の行使に反動はない。だが体力は普通に消耗するのだ。魔物退治行脚って持久走みたいなものだしね?


 見破られて引きずりだされて取り残されて。


 とりあえず他にやる事が思いつかなかったから、ご希望通り魔物退治をやってみたワケだが。

 ーーやってみたら魔物を倒す、自体はそんなに難しくない。

 それくらい預けられた魔力は強大だった。

 

  体が疲れてきてるのは本当だ。


 でも、教えるつもりもない。

 代わりに

「次、こんな真似したら攻撃するよ?」

 あなたに助けられるのは御免だ。

文章がどんどん頭に降ってくる時とこない時の差が激しい。

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