表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/22

6

お久しぶりの更新ですみません!ユーザーページにこちらの更新予定はありますか と応援メッセージと共に言って下さった方がいたのでとりあえず出来る限り展開早くしてこうと思ってます( ̄^ ̄)ゞ

「彼女は聖女ではない。候補の1人ではあったが」

「…そっか、聖女候補って何人もいたんだっけ」

「…ああ」

「それに、聖女になった子は亡くなってるんだよね?」

「そうだ。彼女だけはこちらへ帰せなかったが他の候補者たちは全員こちらに返した筈だ。記憶の消去などは特に行っていないから嘘をついているわけではないがー…」

彼女は〝聖女になりたかった〟のだろうー…おそらく、今でも。

聖女の術は生命を燃やす事なのだと知らないから。

ーー知っていれば。

あの時、ツキナが頑なに自分を聖女だと認めない理由を、もっと考えていたのならーーー少しは彼女の心に寄り添えたろうか。

苦い想いがこみ上げる。

「まあ、ならここには近づかない方がいいね」

「…そうだな」

あの調子では、自分を見たら騒ぎ出すかもしれない。

それは不味い。

この世界に〝聖女を探す〟なんて真似をさせてはいけない。

万が一それにカンナ嬢を巻き込む事になればツキナに合わせる顔がないではないか。

「ま、なら一応軽く監視するだけでいいかな。流石に”私は聖女だ“って新興宗教の教祖にでもなられちゃ困るけど」

「……流石にそれはないと思うが。」

「だよねぇ」

そんな軽口をたたきながら

「お前、この騒ぎをどう思う?」

「どうって?いつも通り対処するだけだけど?」

「いつも通り…か」

ウィルのその言葉にクレイルは少し安心する。

少なくともこの世界にも形は違えどこういった事へ当たり前に対処する機関があってちゃんと機能しているうえ魔法など空想の産物だと思ってる世界で”聖女を召喚“などという事由は今のところあり得ない。

「……早く原因を突き止めねばな」




だが、


その考えを嘲笑うように犠牲者は増えていき、また殺し方が派手ーーというかバラエティに富んでいてどう見ても単独ではない、複数の仕業だ。


狂信団体でもいるんじゃないか。


いや、どこぞの国が暗殺のスペシャリストチームを送り込んだに違いない。


いや、今まで潜んでいた忍者集団が表に出てきたんだ。


勝手に専門家を名乗る輩がネットのあちこちに出没し冗談みたいな説も飛び交う中テレビはじめマスコミも不必要に煽り、二人は各々違う場所で呟く。


「…やめろ」

「やめてよ…」


騒ぎが大きくなるほど犯人は図に乗る。

そんなの定石だ。


「煽りまくるんじゃないわよ……」

私は家のパソコンを前に一人ごちた。

お陰でカンナちゃんには会えないし、何故かクレイルと接点できちゃうし。

ーーーやっぱり、早く転職しよう。

そう思って、求人サイトにアクセスした。




しかし数日後の昼、やっぱり何故かクレイルとウィリアムとお昼をとっている。

なんでお昼わざわざここに取りに来るんだ?防衛庁のが確実に良いモノ食えるでしょーが。

「今回の騒ぎ、ミス・サキサカはどう思う?」

「いえ、私は専門家ではないので。全く、、」

「見当がつかない?」

「はい」

「うーーんまぁそうか…」

「ウィル?」

「いや、一般市民の意見も聞いとこうと思って」

「食事時の話題には向かないと思うが」

「あぁごめんクレイルとはいつもこんな感じだからさー?」

「ーーでは私はこれで」

これ幸いと席を外そうとする私を

「あぁごめん君を空気扱いしたわけじゃなくって…君なら安心ていうか、」

「ーーは?」

「お詫びに明日の昼食は豪華なものご馳走するよ」

「結構です」


断ったのも虚しく翌日私は書類を渡され届けに行った所そのまま彼等が普段使っている部屋でこれでもか と並べられた豪華なケータリングの数々を前に座らされていた。

「…………」

「さ、どうぞ?大丈夫変な薬とか入ってないから」

「……すまないミス・サキサカ、こいつはこんなでも悪気はないんだ」

あってたまるか。

しかもなんでクレイル(こいつ)にフォローされてるんだ食べれば終わるならとっとと食べて退出しようそうしよう。

「…いただきます。」

食事自体はそこそこ穏やかに進んだが二人の会話には出来るだけ加わらないでおいた。

食後のコーヒーに差し掛かった頃室内電話が鳴り近くにいたウィルが受話器を取ると

「クレイル、特課が君に今すぐ来て欲しいって、Cー27室」

「!そうか…すまないミス・サキサカ、少し失礼する」

「いえ、私も もう職場に戻りますので。ご馳走さまでした。」

「片付けは僕がやっとくから〜」

ひらひらとウィルが手を振りクレイルを見送ると私も一呼吸おいて辞去を告げる。

頷いてドアノブを回して送り出しながら背中に

「うん。今日はごめんね?」

と声が掛かる。

その声音に言葉以上の意味を感じてぞわりと全身が総毛立つ。

振り向こうとする意思に体は反応せず、私は意識を失った。


それを軽々と抱き留めたウィリアムは

「ごめんね?出来ればもうちょっと放っといてあげたかったんだけど、時間がないんだ。()()に登場してもらわないとーーーね」






読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ