2
久しぶり過ぎてすみません…とりあえず目指せハロウィン。
ーーやめてよね。漸く落ち着いてきたのに。
なんで、奴が目の前に現れる?
別に容姿を変えたのはこうなる事を想定してた訳ではない、万が一にも他の聖女候補に接近したりーー何らかの影響があったりしたらーー
を 危惧しての事で、間違ってもアレと再会するなんて事態は思い浮かびもしなかった。
見た目を変えるタイミングに合わせて職場もアパートも変えた。
勤務先には妙なつきまといを受け嫌がらせみたいな事をされているので、とかごまかし(ちょうど見た目がMAXに痩せすぎてた頃なので意外にあっさり通った)、ゴスロリも封印した。
ーーカンナちゃんと出掛ける時以外は。
カンナちゃんには引っ越す理由と共に最近 近所に妙な人がいて跡をつけられてるみたいで気持ちが悪いから、
見た目については帰り道でいきなり髪を切られそうになったから、
と、言い。
カンナちゃんは”ツキナ”の頃の私しか知らない為再会した時だけは黒髪黒眼の姿で行った。
私の趣味を知ってる友人にはこの趣味は卒業した。
と説明し、ゴスロリはカンナちゃんと出掛ける時のみの気晴らしとなっている。
ーこのご時世に再就職は冒険ではあったがたまたま英語が堪能だったおかげで今の職に就けた。
ーー全てはあの世界での”何か”が現在の私に影響を及ぼさない為に。
ーーここまでやったのだ。壊されてたまるか。
そして、今回の人事異動は本当に何の意図もないのか?
と考える。
ーーあの2人は確かに外国人だが、日本語堪能だし英語いらないよね?
何故私が選ばれた?
上の指示ーーあの口ぶりからすると決めたのは区役所の人事でなく防衛省側の指示?
だとしたら、最初から私が"ツキナ"だとバレている事になる。
でも、先程の奴はそんな様子は微塵も見せなかった。
考えすぎか?
ただの偶然か?
どちらにしろ、今すぐリアクションをとるのは危険だ。
クレイルも随分細身になった、こちらではそれでもかなり筋肉質な方ではあるがー…以前は筋肉質過ぎて騎士服以外は似合わない感があったが、今の感じなら貴族の正装みたいなのも似合いそうである。いかにも女子が喜びそうなー…ん?
ーーここまで考えて、頭の隅に何かが引っかかったが突き詰めると イヤ な記憶に突き当たりそうだったので、考えるのをやめた。
役所に戻って、至って普通に報告を済ませ、1日を終える。
だが、帰る道すがら、祈らずにはいられなかった。
ーー確かに、彼の幸福を願いはした。
だが、それはこっちの世界での話ではない。
あの願いに、一つ付け加えるとするならば。
私のいないところで幸せになって、騎士様。
である。
ーお願いだから、こっちの世界に、私の世界にー…入ってこないで。私は貴方を幸せには出来ないから。
相変わらず噛み合わない2人です。が、次話からはエンカウント率があがります。




