3.体よ動けー!
ガタゴトガタゴト…
揺られる音で目を覚ます。
ん?
バケツ?桶?みたいなのに入っているらしい。
とりあえずここはどこだろう…
きっと、夢の中なのは間違いない。
現実に怪力少女や巨人がいてたまるか!
んー。となると、俺は今、夢の中にいる。
これ、殺されたら終わるヤツ?それとも、彼女できていいところで終わるヤツ?w
あー、あの少女、そう言えばめっちゃ可愛いかったなー!////
桶の中でえへえへ妄想しながらにやけていると
ポーンといきなり投げ飛ばされた。
「へ?」
あ。久しぶりに俺の声聞いたわw って、そうじゃなくて!
巨人と目が合った。と思ったら急速に落ちて行く。
うわあああああ!
ジェットコースター無理なのに…!
イヤアアアア…
(二度目の気絶)
巨人執事
『あれ?今、あのスライム、鳴いたような?
鳴くスライムって珍しいんじゃ…?
まあ、もうゴミ捨て場に捨てちゃったし、ね。いいや。』
………ヒュウウウ…ベチャ。
桶は木っ端微塵に吹き飛んだ。
体も吹き飛んだ。
不思議と痛くない。
あー、これで変な夢から醒めるはず!
さあて…
…
…
…いつまでたっても目が覚めないよ泣
どうしよう…。お腹すいた…
そうだ、自分の姿、確認しよう!
何かヒントあるかも!
目は見えてるから、なんかの生き物ではあるはず。
下を向いてー…ってなんかグルングルン回る!?
なにこれ?!?気持ち悪い、止めてー!誰かー!
…オエっ
ようやくマスターした。目の動かし方。体もようやく動かすコツを掴んだ…長かった…
で。気になる俺の正体は。粘菌。…口どこやねん…。勘弁してよ…。
体、動かせるようになりました。ついに。
ええ、ついに、物理的に主人公が異世界の第一歩を踏み出します。予定…