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僕の日常 1

枢と出逢い、一年が過ぎた……


僕の日常はあれから少しだけ変わった。


毎朝、姉さんと行っている、朝の日課である魔力コントロールの練習や体術の訓練を庭で行い、朝食を食べて一緒に学校に行く日常に枢が加わった。

三人で魔力コントロールの練習をして体術を姉さんと僕で行って枢を交えた家族皆で楽しく今朝の訓練の時の話や世間話をしながら朝食

を食べて、枢と三人で登校するようになった。


訓練の際に姉さんや枢は魔力が多く質も高い為、二人が魔力コントロールする為に掌に魔力を集中すると風が暴風のよう吹く時があるけど僕は魔力が平均的な量の為、姉さん達ほどの風が吹くことはない。体術訓練では型を行う時は三人で行うが組手を行う時は僕と姉さんだけが行う。これは枢の身体が余り強くない為というのが理由だが、僕として枢を間違って傷付ける事が嫌なのでありがたく思っているが枢本人は少しだけ不満があり、つまらないということが分かりやいぐらい顔に出ている。


登校後は姉さんと別れ、二人でクラスに向かう。

枢が僕の許嫁として決まった後、この東洋魔功付属学園、通称東魔学園に転校してきた。この東魔学園はこの国で一番大きく、名門校として知られている。枢が別の学校に居たのは実家が遠くて親御さんが心配して近くの学校にいれていた為、東魔学園に入学しなかったそうだ。僕達は此処の初等部の二年生だ。枢とたわいもない話をしながら歩き、教室に向いながら転校当初の頃から元々僕と仲良くしていた友達と枢の四人で遊ぶことが多くなったのを思い出していた。


僕たちが教室に入ると二種類の視線が向けられる、枢に対しての羨望の眼差しと僕に対する嫌悪丸出しの眼だ。僕に対する嫌悪は僕が名家の者なのに平均の力しか持たないという事、そんな僕が枢の許嫁であるという二つの意味から来る。そんな視線とはまた違う視線が僕たちに向くと僕たちは笑顔でそちらに歩いて行った。

「大地、枢、おはよう」


「大地くん、枢、おはよう、今日も仲良く登校ね」


僕と枢の事をを呼び捨てにした男の子が、僕たちの親友の「酒蔵竜二」で、僕の事を君づけで呼んだ女の子のが、もう一人の親友の「玉木玲夢」だ。二人とも僕が名家の落ちこぼれでも変わらずに接してくれる唯一の友達であり、玲夢は枢が来てからまだ少ししかたっていないのにすぐに仲良くなり今では僕よりも枢の方が親友なのではというぼど仲良くなっていた。


「名誉ある皇家の人間なのにたいしたことのない能力で、よくもまーそこまで笑っていられるよな、僕なら恥ずかしくて学校に来れないよ」


僕達が楽しく話していると、突然僕を馬鹿にした声とクスクスと笑い声が聞こえてきた 。声のした方に少し視線を向けるとクラスでも上位成績であり、皇家のの分家の一つでもある草薙家の次男である草薙焔とその取り巻きだった。


それを聞いて枢達がはガタッと音を立てて椅子から立ち上がってそちらを睨むのと同時に僕が枢以外の二人を止めている間に枢が怒りながら彼の所に行ってしまった。僕は急いで枢の元に向かうが遅く


「大地は落ちこぼれなんかじゃありません、普通に魔功を使えるもの」


「使えると言っても名家の生まれの癖に魔力が少なすぎるだろ、姉の方は凄いがそいつは使えて中級の中でも簡単な魔功ぐらいしか使えない平凡な魔功師で家柄を考えたら落ちこぼれだろうが」


さらに激昂しようとした枢の肩に手を置いて僕は気にしていないからと止めた。


「言い返す度胸も無いとはな」と鼻で笑った取り巻き達に竜二と玲夢が怒鳴りながらこちらに向かってしまい、僕はまたか、と思い頭を押さえながらため息をついた。


そんなひと悶着あったが先生が来てお前ら席に着けといいながらホームルームが始めると仕方なしという感じで草薙焔と取り巻き達はチィッと舌打ちして席に戻っていった。


「お前ら、今年もあの大会が近づいているのにそんなにだらけた様子だと大会の成績が良くないまま終わるぞ」


そんな事を担任の先生である熱血教師で有名の松岡修矢が暑苦しい笑顔で話していた。基本的に良い人なのだが通称熱血スマイルと生徒達に言われている笑顔は、その周囲の温度を最低でも5℃は上げているのでは、と言われている笑顔で夏場では近くに居たくないが残念ながら今の季節は真夏であり、その笑顔を向けられている僕達としてはすでに汗が出てきているのだった。


「せんせー取り敢えず暑いので真顔で大会の話をしてくださーい」


先生に対してそんな事を言う勇者は竜二だった。しかし、そんな事は関係無いとばかり笑いながら大会の事を説明し始めた。


「よーし、そこまでお前たちが聞きたいなら話してやろう。今年もやってくる夏の学年別大武道会だが、毎年ランキングが近い者同士を闘わせてトーナメントをしていたが今年はランダムに組を分けてバトルロワイヤルを行い、残った各組10名によるトーナメントバトルを行う事になった。」


周りがざわつき強いヤツと闘えると嬉しがるクラスメイトもいれば上位に入れなくなると嘆いていたクラスメイトもいた。そんな中、僕たちはどうしてそんな事になったのか話していた。


「今年は何でバトルロワイアルで予選をやるのかな?」

「ただ単にいつも上位者が同じ奴だから今年は少し面白くする為にとかじゃないのか」

「バカね、竜二は。そんな事で決めるわけないじゃない」

「確かにそれだと極端なはなしすぎますよ竜二くん」


枢の言葉に僕と玲夢はウンウンと頷いた。

3人してそこまで言わなくてもいいだろう、と呟きながらいじけている竜二を見て僕たちは苦笑した。


「嫌、そうとも限らないぞ、お前ら。今年はバトルロワイヤルをやることによって乱戦が得意な奴が生き残って個人戦は得意でも乱戦が苦手なやつは落ちるかもしれないからっていうのが今回の狙いの一つだしな」


そんなことを先生が言ったせいか生徒達はモチベーションが上がった。僕は先生の言い方が気になり聞いてみた。


「先生、今回の狙いの一つということは他にも何かあるんですか」

「さすがに気付いたか。ま~、そのことについては大会までのお楽しみっていうことでとっておけ」

そんなことを言いながら何かありそうな顔をして笑っていた。

その後は、いつも通りに進み、昼休みに姉さんと枢達と一緒にご飯を食べて大会のもう一つの狙いをあれやこれやと想像して話した。


午後の授業では、改めて魔功の基礎から復習して明日から実技の授業を集中して行う事になり竜二は退屈そうにしていたのを僕達はクスクスと笑いながらみていた。

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