第05話 異能者達のロンド17 - 小島 VS チロ
第05話 異能者達のロンド17 - 小島 VS チロ
「おや? 同族に見えるけど、ちがうようだね。彼女はいったい何者?」
小島が言ったのはチロの話だ。
なるほど、違いはわかるわけか。
ただまぁ、ここで隠してもあまり意味はないので、話がややこしくならないように手短に説明しておく。
「家の家計を助けてくれているペットだ。元々はヴァンパイア・ロードだったが、現在は三百メートルクラスの小型ドラゴンの血を吸収した結果、昼夜を問わず半永久的に活動を維持できるようになっている。ちなみに、格段にパワーアップをしているので、超ヴァンパイアってところだろうな」
俺の説明を聞いた小島は、呆けたような感じになって、しばし沈黙をする。
どうやら、今の話を聞いて理性がついていけなかったようであった。
「ちょっと待って。君の話に、どうも僕はついていけないようだ。小型のドラゴンが三百メートルだとか、すまないが頭に入ってこない」
俺からしてみれば、おまゆうの世界である。だが、そこはお互い様ということで割りきって、さらに短く説明する。
「では、わかりやすく言おう。チロは俺のペットの超ヴァンパイアだ」
最初から、こう言っておけば面倒がなかったかもしれない。
俺は珍しく反省する。
「わかった……わかった。一旦、超ヴァンパイアっていうのは受け入れることにするよ。でも、それじゃあ彼女も『不死者』ということになるけど、それでいいのかい?」
どうやら今ので、小島に説明を受け入れてもらえたらしい。
「俺もそこまで詳しい違いはわからんが『眷属』ではあるらしい。そうだな、チロ?」
俺は、一応話をチロに振って確認しておく。
「はい、ご主人さま。これは、チロの『眷属』のようです」
チロは嬉しそうに答える。
どんな状況であれ、チロは俺にかまってもらえることが嬉しくてたまらないようだ。
そのことを確認したわけではないが、何を聞いても「はい、ご主人さま」と返すだけなのであまり意味はないだろう。
「残念だよ。君を……君達を敵にしたくはなかったのだけど……」
小島の声が消えゆく直前、超加圧された大気の糸が、頭上からチロとその足元に転がっている『不死者』を襲った。
そのことは想定の範囲内だったので、俺は静観する。
「効かない……。ならば!」
チロは特に何をしているというわけではないのだが、小島の放つ大気の糸は、チロの体にかすり傷ひとつつけることができていなかった。




