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第05話 異能者達のロンド09 - 斎藤介入

第05話 異能者達のロンド09 - 斎藤介入


「なぁ、いったい何がどうなってんだよ? 口だけお化けがバラバラになったと思ったら、いきなり美少女が地面から飛び出してきて。『エリミネーター』とか『レガシー』とか言い出すし。何が起きてんのか教えろよ、成瀬」


 ここで新たなややこしい要因が増えた。いや、放置していたものが動き出したという表現のほうが正しいだろうが。


「なぜ、俺が知ってると思う? 言っとくが、この状況に巻き込んだのは貴様だ、斎藤」


 無駄かも知れないが、俺は一応釘を刺しておく。

 加害者と被害者が入れ替わるような事態は、さすがに悲惨過ぎる。


「……そっか。じゃあ、事態を見守ろうではないか、成瀬君」


 何事もなかったかのように、斎藤は俺に提案する。


「奇遇だな、お前が口を出すまで、まさにそうしていたところだ」


 軽い嫌味をいいつつ、俺は公園中央で展開されている状況の確認に戻る。


「あたしは、もう『レガシー』とは関係ない。『レガシー』はあたしの敵だ」


 橘美咲と呼ばれた美少女は、長い黒髪を乱しながら、吐き捨てるように言った。

 そして、はっと何かに気づいたように顔を上げて、小島に向けて話しかける。


「ねぇ『エリミネーター』。あたしと一緒に戦わない? あなたの力とあたしの力があれば『レガシー』とだって十分戦える。ねぇ、悪い話じゃないはずよ?」


 橘美咲の態度には、明らかに余裕が感じられない。どうも、切羽詰っている様子だった。

 俺なら、ころっと美人の話に乗っているかも知れないな、と思いながら見ていると。


「それは出来ないよ、橘さん。君は『不死者』に餌を運んだ。その事実はもう取り消すことはできない。そして、ボクは『守り人』として君を消さなくてはならないんだ」


 また、新たな固有名詞が登場してきたが、俺はどうにかある程度の概要を頭の中に組み立てることができた。

 どうやら、小島が話していたあの都市伝説に、橘という美少女が関与していたらしい。

 ということは、話しの内容には、少なくとも真実が含まれていたのだと考えるべきだろう。

 そこから推測するに、小島が言った餌というのは、行方不明となった人間であった可能性が高い。

 そして、小島はその元凶となった原因を取り除くためにやってきたのだということになる。

 そんな小島に向かって、橘は共闘を持ちかけたのだ。


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