第04話 最強伝説-15 - 直接交渉
第04話 最強伝説-15 - 直接交渉
百カラットになったダイヤは、ジップロックの中にいれてポケットに突っ込んだ。
次にPCで郊外の地図を表示してそれを数枚プリントアウトする。
そこまでやって、警察署に向かった。
ヤンキー君達が取り調べを受けているはずである。
俺が中に侵入しても、誰も咎めることはない。
フェイズ10の状態のままなので、無時間状態で移動しているのとほぼ変わらないことができる。
俺の主観でいえば、時間が停止している状態である。
俺は、この状態でヤンキー君達を一人づつ警察署の屋上に連れていく。
本人確認は現場で撮影した写真を使った。
屋上に連れて行った後、ヤンキー君たちに同じことを話してプリントアウトした地図を渡す。
長耳美少女の飼い主は俺であることを告げた後、こういう話をする。
あの場に長耳美少女はいなかった。
魔法など誰も使っていないし、火傷を負ったヤンキー君達がなんでああなったのかもわからない。何も見ていない。
そう答えるだけで、このダイヤモンドは君のものだ。
地図の場所に埋めておくから、掘り返して拾得物として警察に届けるといい。
そうすれば、半年後にはダイヤモンドは合法的に君のものとなる。
時価で数億円はくだらないだろうこのダイヤは、これ一つしかない。
魔法などという話をしていたら、開放されるのは遅れる。
君が他のヤンキー君達と換金して分け合うのもいいが、他のヤンキー君達がわけあってくれるとは限らない。
ただし、他の誰かの口から一言でも長耳美少女の話が出たなら、この話はなかったことになる。
ダイヤとともに、知人の長耳美少女が君たちを一人残らず灰にする。
このダイヤを手に入れるか、それとも灰となってこの世から消えるか。
君らが、好きな方を選んでくれ。
俺はそう伝えた後、目の前で地図に○印を付けてヤンキー君に渡す。
ヤンキー君がポケットに地図をしまったのを確認した後、取り調べ室に戻してやった。
俺が連れ出した直後の時間に合わせて戻したので、結果としてヤンキー君はずっとその場にいたことになる。
全員に同じことをやった後、俺は地図の場所に移動してダイヤを埋めておく。
このダイヤは保険だ。
単純に金を渡せばそれをネタに、脅しに来るアホがいるかもわからない。
だが、どうあがいてもダイヤは一つだけ、最初に届けた人物の総取りだ。
分け合うという選択肢を言っては見たが、おそらくそんなことはしないだろう。
だとすれば、数億円を巡って仲間内で諍いが始まるのは火を見るより明らかだ。




