第04話 最強伝説-12 - 事情聴取
第04話 最強伝説-12 - 事情聴取
「では、話してもらおうか。どうして、ああなった?」
ヤンキー君同士の抗争ならば、たとえバットや角材を持っていたとしても喧嘩の範囲内だ。
だが、そこにシリンがいたらまったく状況は異なる。
どんな理屈をこねくり回したとしても、あれは一方的な殺戮である。
「あたしは、バイトをしていただけだ。誓ってやましいことはしていない」
その答えを聞いた俺は、再びシリンの顔を挟んで、へんてこな顔にしてやる。
「俺は、そんなことを聞いているわけじゃない。どうして、ヤンキー君達とおまえが関わることになったのかを訪ねている」
どう考えても、異世界から来た生物にヤンキー君達との接点などなかったはずなのだ。
「あの日は、朝から雨が降っていた。暗い空から落ちてくる水滴は、まるであたしの心を映すように、地面を濡らしていた」
こいつはカッコをつけているなと思った。
正直、何を言っているのかもわからない。
だが、それをへんてこな顔で言っているのが妙に面白かったので、俺は黙って見ていることにする。
「水たまりの中に踏み込んでしまっていた靴の中はぐっしょりと濡れていて、あたしの心をさらに暗くさせた。雨は、いつでもあたしの心を濡れさせる。その時もそうだった……」
なに言ってやがんだ、こいつわ、と思っていたが、
「それで?」
俺は特にそのことに触れることなく先を促す。
もちろん、心の中では爆笑している。
「どれくらい歩いたか、それも分からなくなるくらい、あたしは雨の中を歩いた。すると、いつの間にか雨が止んでいることに気がついた。あたしの心は少しだけ明るくなった。そのときだ、雲の間から差し込んてきた太陽が、ひときわ大きな水たまりをキラキラと輝かせているのにあたしは気がついた」
ポエム調でごまかしているが、要約するとこいつが話した内容といえば、雨の中をほっつき歩いて水たまりを見つけたってことだけだ。
まぁ、十分笑えるが。
とりあえず、話はまだ続いているようなので聞くことにする。
「その大きな水たまりは、あたしを呼んでいた。キラキラと輝きながら、確かにあたしのことを呼んでいたんだ!」
無駄に力強く主張しているが、内容のほうは特に意味はない。
俺は口を開くと吹き出しそうだったので、右手をひらひらと動かして先を促す。




