第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 47 - ワルキューレ☆ハートのセンターが
第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 47 - ワルキューレ☆ハートのセンターが
もちろんだが、俺は嫌な予感を感とる。
賭けても良い、こいつは厄介事だ。
「さて、風呂に入ろうか」
俺はそんなことを口にしながら、自分の部屋を出ていこうとする。
ところがそんな俺を追いかけるように、キリアが言葉をぶつけてくる。
「ワルキューレ☆ハートのセンターが……ユイが警察に逮捕されてしまった」
後ろから追いかけてきた言葉を聞いた俺は、その場で固まってしまう。
聞いてしまったら、そうならざるを得ない。
これを無視できるほど、俺はドライにはなれない。
自分でも甘いとは思うが、キリアに向き直る。
「どういうことだ?」
俺が尋ねると。
「見知らぬ一人の男性が何者かに殺害されました。その容疑者として、ユイが警察により逮捕されてしまったのです。お願いします、ユイを助けてください」
キリアはいきなり改まった態度で頼み込んでくる。
その話を聞いて、俺は無意識のうちに頭を掻いていた。
やはり厄介事であった。
まだこの時点では、まったく事情というものが見えていないが、とびっきりの厄介事であることには違いない。
しかも、この厄介事の一番厄介事である所以は、俺には断れないということである。
というのも、ユイには色々と聞かなくてはならないことがあるからだ。
そして、そのためにはユイを助ける必要があった。
「わかった。俺が出来ることはする。だが詳しい事情を確認する前に、風呂に入って寝る。お前らは俺が帰ってくる前に、部屋を綺麗に掃除した後で出ていってくれ」
そう言い残すと、俺は今度こそ風呂へと向かう。
本当のところは、綺麗に掃除という部分はそれほど期待していない。
キリアのことはよく知らないが、シリンもルーファもレヴンも家事に関しては才能の欠片も持っていない女どもである。
というか、すべてチロがやってくれている。
チロがいなければ、俺がやるしかない。
俺の家の中が破滅的な状況になりたくなければの話だが。
だから、とりあえず俺の部屋から出ていってくれるだけでよしとする。
そうして、俺が部屋を出ると、そこには顔見知りの長身イケメンが立っていた。
「あんたも来てたのか」
マスター・オブ・クイーン・コンテスの主催者であり、ルートワースの有力者、カガトであった。
「勝手にお邪魔しています。あなたのことは十分信頼していますが、さすがにワルキューレ☆ハートのメンバーを一人で、男性の家に立ち入らせるわけにはいきませんでしたので」




