第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 25 - 強敵
第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 25 - 強敵
今の攻撃そのものが、有力な判断材料となったからだ。
その最たるものは、狙いが戦艦ではなく俺にあるという事実である。
つまり、またすぐに攻撃を仕掛けてくるということである。
「これから始まる戦いに巻き込まれないよう、可能な限り速やかに距離をとれ!」
それだけ言うと、俺はすぐにライジンのハッチを開き外にでる。
気を探るが何も感じない。今、この世界の空間から姿を消しているのだ。
だが慌てる必要はない。
攻撃するために、かならず姿を現す。
その判断が間違いでなかったことは、次の瞬間に証明される。
俺の至近距離に、そいつは出現した。
手を触れることのできる距離。一メートルすら離れてない。
その距離から、さっきと同じ強烈なエネルギー波を放ってくる。
予想はしていたと言え、さすがにこの距離で避けることは困難すぎる。
攻撃にこちらの攻撃をあわせるか、それとも敵の攻撃をこらえつつ、こちらの攻撃を当てに行くかのどちらかしかない。
俺が選択したのは後者だった。
ダメージ覚悟で敵の攻撃をうけながら、俺は前にでる。
ゼロ距離から右の掌底を敵に当てる。
その瞬間に攻撃は中断され、敵の動きは凍りつく。
遠慮したわけではないが、俺の一撃では斃すまでには至らない。
エネルギー波による攻撃をまともにくらったことで、俺の方もダメージを受けてしまいその分威力が弱まったのだ。
だが、わざわざ敵の方からやってきてくれたこの機会を逃すわけにはいかない。
連撃を叩き込む。
右の膝を入れ、左肘を真横から叩きつけ、少し間合いが開いたところで、右の正拳。これを一瞬で入れたのだが、左肘の攻撃だけが入り、膝と正拳は敵の手の動きによって逸らされた。
入った左肘は右の正拳につなぐためのフェイントだったので、まったくとは言わないがさほどダメージは与えられていなかった。
俺が一瞬だけ間をあけた瞬間に、反撃が来た。
左肘から右肘と、ほぼ同時のような時間で叩き込んできた。
俺が両手を使ってそれを受けると、合わせるように下から蹴り上げてくる。
俺はその蹴りに自分の右膝を当てる。
強烈な打撃は、俺の体を吹き飛ばしそうになるが、気を全開にして堪える。
この瞬間だった。
俺は敵の腕を掴むことに成功する。
敵の体を引きつけると同時に懐に潜り込み、背中に回り込みながら折る。
だが、腕を折られた敵は、ゼロ距離から気を放ってくる。
気を体内に溜めて堪えるが、俺も相当なダメージを負ってしまう。




