第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 19 - 敵編隊無力化
第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 19 - 敵編隊無力化
もちろんそんなのは一時的なもので、すぐに対応してくるだろう。だが、その時には近接戦闘の間合いに飛び込んでいた。
この距離だと、ノーマルな戦闘機に比べてバリアブル機体は圧倒的に有利である。
人形へと変形すると、すぐにソードを使う。
至近距離にいる機体が応戦して来ようと旋回をしているが、ソードでメインスラスターを切断すると行動不能に陥った。
トドメは刺さずに、他の機体へと襲いかかる。
2機目はなんなくスラスターを切断できたが、3機目はビーム兵器を使って応戦してきた。
だが、反応が遅い。
至近距離にいるライジンの動きについてこれなかった。
4機目に襲いかかる辺りで、俺の小隊がこの宙域を離脱したことをモニターで確認する。
ここらが引き時だろう。
俺は、そう判断する。
敵編隊はフォーメーションを崩して、ライジンから距離を取ろうとしている。
俺は戦闘機形態に変形すると、その中の一機を追尾する。
圧倒的なライジン戦闘機形態の加速で追いついたところで、一瞬だけ人形へと変形して敵機のスラスターを切断する。
航行能力を失った敵戦闘機を盾代わり背後に残すと、再び戦闘機形態へと変形してリミッター解除の最大加速を行う。
俺もこの宙域の離脱するのだ。
フォーメーションを崩して距離を取ろうとしていた敵編隊では、圧倒的な加速性能を持つライジンの追尾は不可能だった。
背後からの攻撃も行動不能の機体が邪魔をして行うことができない。
それに、4機の行動不能の機体がでたことで、回収する必要性が生じている。
もちろん母艦からの助けはこない。
俺がライジンで破壊したからだ。
一旦収納したら、補修作業も行えないうえに、補給もない。
これで、戦闘機部隊は完全に無力化できたと考えていいだろう。
俺は、自分の小隊と合流するとすぐに回線を開く。
「各自、損耗状況を報告してくれ」
まずは、現在の戦力を把握しておきたい。
「参号機は姿勢制御用のスラスターが一つ破壊されたけど、行動に支障はないよ」
最初に答えてきたのはミルバだった。
「弐号機は右肩のシールドを破壊されちまったが、問題ないぜ」
次はコラッドからの報告である。
となれば最後は。
「壱号機は問題ない」
ゲイルの報告であった。
圧倒的に不利な状況にありながら、全員俺の指示に従い、戦力を維持するように戦ってくれたようだ。
「すまんが、このまま補給無しで敵の追尾を行う。つきあってくれ」
俺は、確認が終わるとすぐに次の指示を出す。




