第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 17 - 敵編隊
第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 17 - 敵編隊
偽トラマンは白ハクとまったく同じ出現の仕方をした。
ということは、白ハクと同じ原理を使っているということだ。
それは、偽トラマンが英雄の近くに出現しているということを意味している。
そもそも、英雄などというのは、勝手に白ハクが呼んでいる呼称にすぎない。
実際には、この宇宙における要所に配置されているポインタなのだろうと俺は考えている。
そのことを知っている何者かが、英雄という名のポインタを使って偽トラマンを送り込んできた。
それならば、俺の所に直接送り込んできても良さそうなものだが、それだと俺に手がかりを渡してしまうことになりかねない。
おそらくではあるが、そんな事態をそいつは嫌ったのだろう。
狡猾で用心深いやつである。
ただ、一つ失敗を犯している。
偽トラマンのポインタとなった英雄は、意図的にそうしたのだということである。
こんな空間で待ち伏せをしていたのだ、そのことは疑いようがない。
だから、俺はそれを利用する。
ライジンを使って、偽トラマンをそいつに送り返してやるのだ。
「わかった。ただ、長くは持たない」
冷静な声で答えを返してきたのはゲイルである。
小隊の指揮は、現在ゲイルが執っている。
俺は一旦回線を切ると、操縦に集中する。
敵編隊はゲイル達にまかせておけばいいとして、俺は戦艦を相手にしなくてはならない。
戦艦の位置はすでにライジンの探査システムが捉えている。
だが、それは向こうにとっても同じことで、ライジンの位置も捉えられているはずだ。
そのことは、すぐに証明される。
迎撃システムの射程内に入ったとたん、パルスレーザーが一斉に襲いかかってくる。
連続して放たれるパルスレーザーを、ライジンの機動性を最大限に使って避けながら距離をつめる。
当然であるが、距離をつめるほど敵の攻撃は激しくなっていく。
レーザーだけでなく、レールガン、ビーム、ミサイルまでもが一斉に襲いかかってきた。
いくらライジンの機動性をもってしても、さすがにすべてを交わすことは不可能である。
そこで、途中で拾った盾が役にたつ。
瀕死の状態になっている、偽トラマンである。
基本的に交わすのは、爆発による範囲ダメージを受けてしまうミサイルだけにとどめて、レーザ、レールガンのバレット、ビームで機体に命中するもののみを、偽トラマンの体を使って防いだ。
瀕死の状態とは言え、フェイズ5の俺とまともにやりあえるのだ。戦艦からの攻撃程度ではダメージは一切とおらない。




