第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 14 - 急襲
第08話 宇宙英雄伝説04 英雄達の終焉編 - 14 - 急襲
そうすることで、一切を考えることなく対応することが可能となる。
睡眠とは違うが、限りなく近い状態になることが可能だ。それは瞑想状態と呼ぶのが一番近いだろう。
俺は俺抜きでかわされている三人の会話を聞きながら、瞑想状態に入る。
強烈な気を感じた瞬間、俺の体は意識とは関係なく反応していた。
瞬時に通常航法へ移行するのと同時に、コックピットを開き絞り込んだ気砲を放つ。
感じた気は敵からの攻撃だ。
受け止める遅すぎる。
敵からの攻撃に気砲をぶつけることにより、敵の攻撃を相殺する。
強烈な時空振が発生したが、機体が破壊されるまでには至らなかった。
「正面の敵は俺が相手をする。全機、当宙域を離脱して作戦行動を開始しろ」
俺はコックピットを開いたまま、三人に指示を出す。
三人は返答を返すまでもなく、すでに行動を開始していた。
さすがにベテランのパイロットばかりのチームである。
自分がやるべきことはすでに分かっているということだ。
俺はライジンを人型のまま起動させると、すぐに次の攻撃がきた。
間違いなく俺を狙っているようだが、不思議なことに敵の気を感じない。
別空間からの攻撃ならば、時空振動が発生するはずなのだがライジンのセンサーにはなんの反応もなかった。
ただ、今回は慌てる必要はない。
俺を狙ってきた以上、また攻撃をしかけてくる。
そして次の攻撃があれば、かならずその瞬間を捉えることができる。
問題なのは、その攻撃で俺の小隊を失わないようにすることなのだが、すでに十分な距離を確保している。
さすがに全力とまではいかないが、それなりの戦いはできそうである。
次の攻撃がくる。
高機動を繰り返しているライジンの至近距離からであった。
もちろん、そんなものをまともに受ければライジンは砕け散る。
避ける以外に手はない。
かろうじて交わすことができたが、右肩の装甲の一部とスラスターを一つ持っていかれた。
だが、そのおかげで俺は敵を捉えることができた。
俺がどうやっても気を捉えることができなかった理由は、その瞬間に明らかになる。
結論から言うと、白ハクと同じことをやっている。
攻撃の瞬間だけ存在しているのだ。
だから、いくら気を探ろうと見つかるはずがなかった。
だが、それが分かれば十分だった。
コックピットを閉めて、次の攻撃を予想する。
範囲はライジンを中心にして、一定距離の球体内。
敵はかならずそのどこかに、一瞬だけ姿を現す。




