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第04話 最強伝説-04 - ヤンキー登場

第04話 最強伝説-04 - ヤンキー登場


 必要な情報を聞き出した俺は、早速現場に向かう。

 正直、ヤンキーなんぞに関わり合いたくはないが、俺の家に寄生している生物がすでに関わっているとなると話は違ってくる。

 余計な厄介事に巻き込まれないうちに対処する必要があった。

 異世界での厄介事ならば、所詮は他人事の範疇であるが、こっちの世界、それもご近所でとなると事情はまったく違う。

 慎重かつ丁寧な対応が必要であった。

 というわけで、斎藤の情報が話した場所に行ってみると、そこには確かにヤンキーがいた。

 今となっては希少種であり、絶滅危惧種と目される連中だ。

 金髪に剃りこみ、派手なジャンパーにジャラジャラのチェーン。とてもオーソドックスなスタイルをした輩が三人、道端でうんこ座りをして談笑している。

 俺はそいつらに近づいて、いたって穏やかに話しかける。


「そこの生ごみ君達、耳の尖った女のことを知らないか?」


 この質問のどこに気に入らない部分があったのか知らないが、ヤンキー君達は俺のことを睨みながら立ちあがってきた。


「はぁ? なんだぁ? パンピーのにぃちゃんが、オレらに喧嘩うっての?」


 俺と同じくらいの身長、つまり一番小さいヤンキー君がポケットに両手を突っ込んだまま、下から覗き込むような格好で話しかけてくる。

 まぁ、一般ピーポーとしては、ガンをつけられたと受け止めていいのだろう。


「いや、俺は君らみたいにヒマじゃないんでな。ただ、耳長の生……もとい、女を探しているだけだ」


 生物と言いかけて言い直しはしたが、それでも十分に丁寧な言葉を選んで会話を試みる。

 これでも俺は、平和主義者なのだ。


「はぁ? やっぱ喧嘩うってんだろ、テメェ!」


 残念なことに俺の誠意は伝わらずに、目の前のヤンキー君はさらにエキサイトした様子だ。

 それだけではなく、後ろにいる二人のヤンキー君も参戦してこようとしている。

 一人は痩せぎすののっぽだが、もう一人は倍くらいの体重がありそうなゴリラ系だ。


「あんま舐めてっと、シメんぞおらぁ」


 その界隈の専門用語で話しながら近づいてきているのは、ノッポの男だ。


「んだとぉ、おらぁ」


 ゴリラ系のヤンキー君は、どうやら日本語が不自由らしい。

 俺には何が言いたいのか良く理解できなかった。


「後ろのスカル君とゴリラ君に用はない。話しかけてこないでくれないか?」


 俺は身体的な特徴を的確に捉えた表現で、わかりやすくこちらの希望を伝える。

 すると、俺の目の前のヤンキー君が小さくプッと吹き出した。


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