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召喚無双~現代日本に転生したが、異世界が関わってきやがるので無双してやる~  作者: ぢたま
第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編
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第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 56 - バトルチーム

第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 56 - バトルチーム


 全員が全員いい性格をしているようだ。

 俺は管制室の一角にあるミィーティングスペースに移動すると三人に向かって呼びかける。


「パイロット諸君、ここに来てくれ」


 さすがに今度は反応があった。

 一番最初にやってきたのは猫男で、軽く俺に向かって敬礼する。


「コラッド・スダッドです。よろしく」


 短く名前を名乗ったが、気負いも緊張も伝わってこない。

 見るからに熟練のパイロットであった。

 続いて来たのは鳥男である。前にいた鳥男とは違うのだろうが、俺には違いがよく分からない。


「へぇ? こりゃまた貧弱そうな指揮官殿だな。まぁ、金をくれりゃ問題ないがね。オレはゲイル・ロウズだ。よろしくな、指揮官殿」


 俺のことを物珍しげに見ながら、好き勝手なことを言ってくれる。

 やはり、緊張感は感じられない。

 最後にやってきたのは、人型の女である。

 ひどくメリハリのある体をした美女だった。

 もちろん本人もそのことをはっきりと認識しており、胸元が大きく開いた、体に張り付くようなスーツを着用している。


「ふん、こんな若造で優男の下につくたぁね。まともに、闘えんのかねぇ。あたしはミルバ・レッゼル。ミルバでいいよ、にぃちゃん」


 明らかに俺のことをバカにした態度を隠そうともせず、ミルバは話しかけてきた。

 彼女が白ハクが警告してきた理由。

 すなわち英雄であった。

 俺がナジュ以外に初めて会った英雄である。

 とりあえず、今はどうでもいい。

 今は他にやるべきことがある。


「君たちには、この後すぐタツギに搭乗してミッションに参加してもらうことになる。ミッション・ポイントに到着するまでの間に、機体の操縦をマスターしてもらいたい」


 かなり無茶な要求だった。

 とは言え、俺のように実戦をやりながら覚えるよりは随分とマシだろう。

 それに、タツギはライジンよりも随分と操縦しやすいはずだ。


「顔に似合わず、随分と無茶な要求するのね。で、タツギっていうのが格納庫にあったバリアブル機?」


 真っ先に聞いてきたのはミルバだった。

 無茶と言うわりに表情は自信に溢れている。

 ただそれは、他の二人も同様である。


「ああそうだ。どの機体にするのかは、各自決めてくれ。ただし、ライジンは俺が使う。君たちはあくまでタツギの1号機から3号機の中から選んでくれ」


 俺が言うと、次に口を開いたのは鳥男のゲイルである。


「指揮官殿自ら出陣ですかい。どうせ、一番高性能の機体を使うつもりなんでしょうが、現場じゃパイロットの腕で決まる。せいぜい足を引っ張らんでくださいよ」


 これが人間ならば、口元にニヤけた笑いを浮かべながら言ったところだろうが、嘴ではどうにもわからずらい。


「ゲイルだったな。各機体の性能諸元データを見たか?」


 俺が何か言う前に、横にいた猫男のコラッドが口を挟んできた。


「はぁ?」


 ゲイルは若干イラっとしながらも、言われたとおりに自分の端末を確認する。


「おいおい、なんだよこの数字。タツギはともかく、ライジンはまともじゃねぇ。こんなのに乗りたいなんて言うやつは、頭の中がどこか壊れてんぜ」


 バカにしたような口調は一瞬で消え、代わりに呆れたような口調に変わっていた。


「あんた、マジでこんなモンスターマシンに乗るつもりかい? 敵と闘う前に死んじまうんじゃないか?」


 それはミルバのセリフだった。

 言葉は心配しているように見えるが、口調はとても楽しそうだ。

 一体何を考えているのかよくわからない女である。


「それでは、事前打ち合わせはこれでおしまいだ。すぐに機体を選んで搭乗してくれ」


 俺はこれから行う予定のミッション内容には一切触れることなく解散を指示する。

 集まる時には反応が鈍かった三人だが、今度はすぐに動き始める。

 しかも一人もミッションの詳細に関して聞いてこない。

 こういった極秘作戦に参加するのに慣れているのだ。

 俺は格納庫へ向かう前にやるべきことがあった。

 管制室の端末からルート権限を使ってアクセスすると、俺宛のメッセージが届いている。

 メッセージに記載されていたのは座標だ。

 俺はその座標をライジンのAIに転送する。

 これで目的地が判明した。

 それともう一つ、今度は暗号化されたメッセージを上院議長へ向けて送信する。

 送ったのは特定エリア無いから、軍艦を退去させる要請だ。

 もしこれで、俺ら向かって攻撃してくれば、そいつらは無条件で共和国政府の敵ということになる。

 ただラートラ共和国政府が手助けしてくれるのはそこまでで、現場での対応はすべてこちらで処理する必要がある。

 俺は端末を閉じると、格納庫へと移動した。

 すでに俺を除く全員が搭乗している。

 見る限り、俺が搭乗するライジンを含めて全機完璧な状態にまで補修作業が終わっているようだ。

 タツギ1号機などは大破していたはずなのだが、おみこどとしか言いようがない。

 俺は整備班長に軽く合図を送るとライジンに搭乗する。


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