第04話 最強伝説-02 - うわさ話
第04話 最強伝説-02 - うわさ話
家の中にいるだけならば不快害獣ですむところだが、一歩外にでればもはや猛獣である。
火力を考えたら、自衛隊呼んで来いの世界である。
さすがに俺でも、こんな危険極まりない生物を野放しにするわけにはいかない。
というわけで、俺はすぐさまシリンの要求を却下した。
そして、この結論に関しては、ルーファも俺の意見に全面的な賛成を表明してくれる。
それで、この話は終わったものだとばかり思っていたのだが、それは俺の油断であった。
シリンは少しも諦めてはおらず、俺やルーファの目の届かない所で密かに行動を起こしていたのである。
考えてみれば、ルーファがバイトに出るということは、シリンの監視者がいなくなるということでもある。
俺は……いや、俺たちは期せずして猛獣の檻を解き放っていたのだった。
俺がそのことに気づいたのは、それからしばらくしてからのことであった。
最近続いている平和な日常を、俺は満喫していた。
まったく滞り無くその日の授業が終わり、放課後になって俺は斎藤と女子大生との妄想合コン話しで盛り上がっていた。
その中で、斎藤がいきなり俺に違う話題をふってくる。
「ところで、錦町のヤンキー美少女の話知ってっか?」
正直、ヤンキーに関しては一切興味のない俺が戸惑う。
「美少女はともかく、ヤンキー関連の知識を必要としたことはないな」
俺にはこれといって興味もない話なので、適当に流そうとしたのだが。
「でさ、オレ行ってみたわけよ。そしたら、どうだったと思う?」
相変わらず冴え渡るスルースキルを発揮して、俺の話を聞き流した上にそんな質問をしてくる。
俺もスルーしようかと考えたが、俺のスルーをスルーされることはほぼ確実なので、簡単に答えておくことにした。
これも、人間関係においては必要なことだ。
「しらん」
俺の端的なおかつ興味ないぞオーラ全開の答えに、斎藤はなんら関心を払わず話を続ける。
質問をしてきた人間としてはいかがなものか、と思うが指摘したところでスルーされるだけなので放置する。
「なんと、おどろけ、ほんとに超美少女だったんだよ」
俺に向けてくる熱く萌えた斎藤の瞳が、心底気持ち悪かった。
例えるならば、道端に落ちていた犬の糞に止まっていた蝿が一直線に俺の方に向かって飛んできた、そんな感覚だろうか。
「それは良かったな、おめでとう」
俺は軽く祝福をしながら話を切り上げようとする。
ところが。
「それが良くなかったんだよ!」
さらにテンションを上げて、斎藤は話を続けてきた。




