第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 32 - 再出撃
第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 32 - 再出撃
四種類選択できる武器のうち、三つまでがエラーのままだがそのうちの一つがグリーンサインに変わる。
ガンポッドだった。
そこで、スクリーンにガシム整備班長の顔が写り声が聞こえる。
「これでとりあえず戦闘は出来るはずだ。だが、さすがに戦艦相手にガンポッドだけじゃ洒落にならんからな。カタパルトの横に置いてあるやつ持っていけ。お前さんなら使いこなせるだろ」
一体何を言っているのかわからないが、そんなものは行けばすぐに分かることだ。
「使わせてもらおう。それでは出る、部下を下がらせてくれ」
俺が言う前には整備員全員が動き出していた。
すぐに安全確認がされ、先進可能のサインが出る。
俺はエアロックにライジンを移動させる。
カタパルトにレッグパーツを固定する前に周囲を探すと長くて幅広の物体が置いてあった。
アームを使って持ち上げてみると、それは人型の戦闘機体専用に作られた巨大な曲剣であった。
持ち上げると、オートで作動しオプションハンガーにセットされた。
カタパルトへのセットシーケンスに入ったところで、俺はこの武器のマニュアルを表示させる。
この巨大な剣は特殊鋼で作られた高周波ソードである。
戦艦の分厚い装甲でも、この剣ならバター同様に軽々と切断することができる。
ただ、レーザー、ビーム、ミサイル、ガンポッド、レールガンといった遠距離武装をした相手にこんな接近戦専用兵器を使用できる機会などそうそうあるものではない。
普通は、そこまで距離を詰める間に撃墜されてしまうからだ。
だが俺とライジンならば最強の武器となる。
特に対戦艦戦ならば。
「ライジン出る」
俺が宣言するように言うと、カタパルトが作動しライジンが射出される。
カタパルトからレッグパーツが外れるとほぼ同時に戦闘機形態に変形する。
戦艦はすでにレーダー内に表示されている。
目的エリアに向かって、スラスターを全開にしてフル加速を行う。
スクリーン上に表示されている情報の中に到着予想時刻があった。
およそ三十分ほどだ。
もちろんそれは、邪魔が入らない場合の時間である。
十分ほど過ぎたところで、スクリーンに戦艦から10機の戦闘機が射出された様子が映し出される。
その一つを選択すると拡大され、同時に詳細データが表示された。
ラートラ共和国軍の主力戦闘機リヴァラであった。




