第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 23 - 索敵
第08話 宇宙英雄伝説03 民主主義とバリアブル戦闘機編 - 23 - 索敵
「ジョン、こっちはケリがついた。詳細に関しては後でデータを渡す。俺を新任のチームリーダーにしてくれ」
本社との回線を開くとすぐに要求する。
「ナルセか。三秒まってくれ……よし、今権限を譲渡した。こっちは今日中に必要なスタッフを揃えて、オフィスを構える。必要なことがあれば、常時対応できるようになるから、今後は部下になんでも言ってくれていい」
おそらく予め準備していたのだろう。秒単位で対応してきた。
そして、パルテノ社はもうすでにペーパーカンパニーではなくなったようだ。
「助かる。また連絡する」
俺はそれだけ言うと、ジョンとの回線を閉じる。
すぐに俺はチームリーダー権限で端末へのアクセスを開始する。
ゼセトと同じ権限でアクセスしたことで、これまでゼセトが行ってきた全記録が閲覧可能になる。
その中でやりとりした相手を絞り込みむ。
まず最初に除外したのは政府関係者だ。
兵器開発に携わっていたのだ、政府関係者は多数に登る。
これだけで、対象者からほぼ半数が消えた。
次に除外したのは社内の人物だ。これで、対象所の大半が消えた。
残ったのは六人。
うち五人は身元が確認できたが、一人だけどうしても身元が判定できない人物がいる。
名前はゲム・フェラー。それ以外のことはまったくわからない。
やり取りした記録が残っているので、実在はしているのだろうが、どのみち本名だということはあるまい。一体どういった内容なのかは削除されてしまっているため確認することは不可能だ。
だが、これだけ分かれば問題ない。
俺はメッセージを付けてデータをジョンに送信する。
三分後、返信があった。
内容は住所である。マップで確認すると、帝星のラグランジュポイントに位置するスペースコロニーの一つであった。
今いるラポからだとそう遠くはない。行ってみることにする。
俺は、いったん格納庫に立ち寄って整備班の班長に話しかける。
「君がラトラ・ガシム整備班長だね?」
手元の形態端末に映し出された写真と見比べながら確認する。
「ああそうだ。あんたはナルセだな。さっきの闘い見みてたよ。それにしても、武装なしであの連中相手に良く生き延びたもんだ」
俺のことは分かっていたようだ。
それは当然だろうが、どうも俺が闘っていた連中に関して何か知っている様子ではある。
ただ、今はそのことはどうでもいい。スルーしていきなり本題に入る。
「ライジンだが、修理にどれくらいかかりそうだ?」




