第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 48 - 連絡
第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 48 - 連絡
端末に出たナジュに聞いてみると。
「もちろんだよ。あんなことあったのに、寝てられるわけないでしょ」
即答してきた。
「そうか。一応確認しとくが、今自室にいるか?」
別れた時、そう指示を出しておいたが俺は一応確認をしておく。
「ああ、そうだよ。いつでもすぐ出る準備はできてる」
ちゃんと俺の言うことを聞いていてくれたようである。
できればこういう所で突発的な事態が起きていて欲しくなかったので正直助かる。
「それはよかった。今夜は絶対に部屋から出るんじゃないぞ。外は大騒ぎだ。お前にしても俺にしても警察に調べられたらまずいことだらけだ。いま外出するのは、火の中に飛び込んでいく虫のようなもんだからな。もう、メシ食って風呂入って寝ろ」
俺は釘を差しつつナジュに向かって指示を出す。
「まぁ、それはいいけど、疲れたし。けど、あんたはどうすんだい?」
素直に応じた後、意外にもナジュは俺のことを心配してくれているようだ。
「俺のことは心配しなくていい。誰にも気づかれることなく行動することができるだけのスキルは身につけている」
それにあえて話さなかったが、現在ソーグ帝国の全軍事システム並び保安システムは俺の手の中にある。
この状況下で警察に捕まるようなヘマをやらかすとなると、よっぽどの間抜けであってもなを困難というものだ。
なにしろ、俺の向かう先を空白地帯にすることが可能なのだから。
もちろん、長時間そんなことをすれば怪しまれることになる。
だが、一時的ならば常にどこかしらしらに存在する。
それを意図的に生み出したとしても、偶然なのかどうかの判断はつかない。
俺は帝星にある一番大きな享楽街の一角にそんな場所を作る。
帝宮でテロ事件が起きて、帝星全体に戒厳令が敷かれたような状況になっている時に、その影響を受けて最も人が減った場所だからである。
それと共に、必然的に捜査当局の人員も手薄になり、自然な形で空白地帯を作ることができた。
俺はその享楽街にあるビルの中の一つに入る。
享楽街のど真ん中であるのだが、今は閑散としている。
建物内には複数の風俗店が入っていて、普段ならば性に従事する従業員がいるのだが今は誰もいない。
俺はその中の一つの店に入っていく。




