第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 41 - バトル
第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 41 - バトル
ケルンはそう言いながら構えをとった。
絞り込んでいた気も、再び盛り返しそれどころか何倍にも膨れ上がっている。
ぶっちゃけフェイズ1の俺といい勝負のところまで来ている。
凄まじい気であった。
おそらく、さっき使って見せた軽気功もまた小手先の技の一つだったのだろう。
さすがに俺としても、気が抜けない相手だと分かった以上構えを取る。
「それじゃ、俺も本気でやらせてもらうか……」
フェイズ1なりのという条件付きだが、本気は本気である。
俺が構えを取った瞬間、ケルンの方から仕掛けてくる。
一瞬で間を詰めて、ゼロ距離から腹をめがけて気砲を放って来やがった。
左手を横から入れながら左に体を開き、気砲を放って来たケルンの左腕を弾く。
ケルンの気砲は俺の右脇腹をえぐるように、後ろの瓦礫を吹き飛ばした。
もちろん俺も何もやらなかったわけではない、右肘をケルンの右のテンプルに斜めに叩きつけていた。
お互いに手酷いダメージを受けながら一旦間をとる。
もちろん休むためではない。
俺は下がると同時に右に、ケルンはもう一度正面から仕掛けてくる。
すれ違いざま、俺は左拳を叩きつけ、ケルンは左膝を叩きつけてくる。
膝と拳がぶつかり合い、もう一度左右に飛ばされた。
俺はちょっとした技を使う。
足を使って気を放ち、それを踏み台にして空中で跳ねる。
飛空法を使うより、遥かに早い反転ができるやりかただ。
それで、ケルンに向かって跳ねると、ケルンは俺の頭を狙って蹴りを放ってきたが少し遅い。
蹴りは俺の右肩にぶち当たり、みちっと鳴ったが俺はそれを無視して間合いを詰めて左の肘を胸の真ん中にぶち当てる。
間違いなく、その攻撃は芯を捉えていた。
だが、それでも反撃がくる。
自分の胸に打ち込まれた俺の左肘を目標に、両手に両側から挟み付けるように気砲を放ってくる。
さすがにその攻撃を避けることはできなかった。
なので、俺はそのまま左肘で気砲を放つ。
ケルンの体は吹き飛んで、背後の瓦礫に叩きつけられてそのまま力なく床の上に落ちた。
俺の左肘は気砲を放ったおかげでダメージは軽減されているが、さすがに無傷というわけにはいかない。
とはいえ、ひとまずこれで勝負はついた。
ケルンに息はあるが、意識は完全に飛んでいる。
俺は床の上で伸びているケルンに近づくと、体を探る。




