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召喚無双~現代日本に転生したが、異世界が関わってきやがるので無双してやる~  作者: ぢたま
第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編
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第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 35 - 財務尚書の結論

第08話 宇宙英雄伝説02 ソーグ帝国政争編 - 35 - 財務尚書の結論


 もちろんインフレになるが、民間における設備投資が増えて生産力が追いついてくれば何処かでバランスする。

 その頃には、税率を変えたり新た税を創設したりしなくても、税収は自然増の分だけでも格段に増えているので財源確保のための増税は必要なくなっていることだろう。

 ただ、増税が必要ないというわけではない。

 あまりにインフレが行き過ぎた場合、増税したり銀行金利を増やすことで抑えつけることができる。

 要するに、増税というのはマクロな視点から見た経済において、インフレ率を調整するための道具であるということである。

 税収というのは、あくまで経済成長によって増やすことを目指す以外に方法がない。

 なぜなら、増税すれば経済成長率は落ち込み、結果として税収は減ることになるからである。

 ただこの辺りの理屈というものは、財務省にとっては鬼門と言える。

 というのも、増税することで初めて財務省の既得権益が拡大するからである。

 国家全体がどうなろうが、彼らにとっては関係ない。自身の権益の拡大こそが至上命題である。

 多かれ少なかれ、多くの国家にとってそのことは事実であった。

 やり過ぎたら、そのことの是非は問われることになるので、そこは様子をみつつやっているというところだろう。

 もちろん、ソーグ帝国のような国においては、そういったことは比較的簡単である。

 一方選挙という禊が行われないということは、良くも悪くもリセット作業が行われないのでどこかの段階でちゃぶ台返し的な革命が起こる危険性もある。

 もちろん俺はそんなことなどどうでもいいので、これ以上深入りするつもりはない。


「ありがとう、男爵夫人。そういう視点をご指摘いただけて大変参考になりますよ。これは、私個人ではなく、政府としても正式に対応を見当したほうがよさそうだ」


 しばし考えた末に、財務尚書の出した結論はそれだった。

 これから何をするにしても、英雄という存在を創っておけば色々と役に立ちそうだと判断したのだろう。

 もちろん、俺が想定していることも含めてだろう。


『それは良きことです。わたくしとしても、英雄となる殿方と一度直接会ってお話してみたいですわ』


 俺は話しの流れを装いながら、さりげなく本題の一つを切り出してみる。


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