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第03話 ドラゴン・オリジンズ - 10 - エンシェント・ドラゴン探索03

第03話 ドラゴン・オリジンズ - 10 - エンシェント・ドラゴン探索03


「たぶんご主人さまの言っているドラゴンって、エンシェント・ドラゴンとは別の何かですぅ。どんな強いドラゴンだって、ご主人さまの攻撃くらったら、ひとたまりもありませんよぅ」


 今更ながらであるが、俺の知るドラゴンとこいつらの言っているドラゴンの間にはどうやら相違がありそうであった。

 これは、確認しておく必要がありそうだった。


「ドラゴンというのは全長が五百メートルほどで、知的生命体の存在する惑星を見つけると、強力なエネルギーボルトを放って惑星ごと知的生命体を滅ぼして回る超生命体のことだろ?」


 俺は自分の知っているドラゴンのことを、端的に話してみせる。

 すると、チロの答えは。


「それって、絶対にドラゴンなんかじゃありませんよぅ。大きさだって、どんなに大きくてもせいぜい十メートル程度ですしぃ、惑星どころか山一つだって消せやしませんよぅ」


 全否定であった。

 果たして俺の常識が間違っているのか、それともチロの常識が間違っているのか……というのはどうでもよくて、チロの言うエンシェント・ドラゴンを見つけなくてはならないのだ。

 エンシェント・ドラゴンがこんなに脆い相手だということになると、俺が考えた簡単に見つけられるぞ大作戦は使うことができない。

 必然的に新たなる作戦を考える必要がある。もちろん、地道に探すというのは却下だ。俺としては、一時間以内にケリを付けたい。

 とりあえず、俺よりはエンシェント・ドラゴンについて詳しいことが判明したチロに聞いてみることにする。


「おい、チロ。エンシェント・ドラゴンを今すぐに見つける方法はないか?」


 俺の質問に、チロが即答する。


「はいっ、ご主人さま。召喚すれば、すぐにでもエンシェント・ドラゴンを呼び出すことは可能ですが……ただ」


 これは想像以上に希望が持てる答えだったのだが、最後の方がどうにも歯切れがわるかった。


「ただ、なんだ?」


 俺は希望を控えめにして、そう聞いた。

 そういう話の終わり方をしていたら、警戒するのはしごく当然だろう。


「ただ、召喚するためには、エンシェント・ドラゴンの血が必要なんですぅ」


 俺は思わず絶句してしまった。

 そもそもエンシェント・ドラゴンの血液が入手できていたら、わざわざ召喚する必要はなくなるからだ。


「わかった……もういい……」


 チロが使えないとわかった以上、また別の方法を考えるしかない。

 では、どうするか?

 こういう時には、まず初心に立ち返ることが大切だ。


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