第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 58 - 戦闘終了
第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 58 - 戦闘終了
影響のありそうな無人機をあらかた叩いたと判断して、俺はバルベル号のエアロックに飛び込んだ。
すぐに外郭が閉じて、エアロック内に空気が満たされる。
俺はハッチが開くとすぐにコックピットへと向かう。
中は、まだ全天スクリーンが表示されており、戦闘態勢のままだった。
俺は中に入ると、マップを確認する。
それを見ると、大量の無人機が追いかけてきていたが、どんどん距離が開いていく一方であり距離を縮めてくる無人機はひとつもなかった。
どうやら、逃げおうせることが出来たようである。
俺のその判断と同じようにナジュも判断したらしく、コックピット内を全天モニター状態から普通の状態に戻した。
「頑張ったじゃないか。でもおかげで、関連データはすべて引っ張れたよ」
ナジュの言葉に俺は軽く礼を言っておく。
「すまん。助かった、ありがとう」
今の状況ではどちらのためでもあるので、本来は必要ないのだろうが、ナジュをうまく使うためにはこういう配慮も必要である。
「なーに、いいってことよ。それより、どうすんの?」
機嫌よく聞いてくれたので、俺は遠慮なく答える。
「もちろん必要な情報を調べる。また、頼むぞ」
ソーグ帝国の歴史を調べた時にやったあれを、ナジュにもう一度やらせるのだ。
「ええっ? あれやんの? 超疲れるじゃん」
一度驚いた後、うんざりしたようにナジュが答えた。
薄々気づいていると思ったが、どうやらまったく分かっていなかったらしい。
ロールプレイングゲームでいうところの、いくらレベルが上がっても、インテリジェンスの値は増えないタイプのキャラのようだ。
「なに、それほどはかからんさ。回廊での主要な戦いはほとんど見ていたから、補足的な情報を得るだけだ」
実際には俺が演出した戦いだったわけだが、そんなことはどうでもいい。
俺が知りたいのは、ソーグ帝国艦隊とラートラ共和国艦隊の今現在の総司令官が誰であるのかということである。
できれば、本国の対応も知りたかった。
俺たちと敵対している英雄が、本国でどう扱われることになるのか興味があったし、そもそも本当の敵であるこのゲームを仕掛けた連中の真意をさぐるための重要なピースとなる。
俺は、ナジュに言って、ダウンロードしたデータから当面必要な情報を得る。
まずソーグ帝国艦隊を指揮する現在の総司令官の名前はコーグ・ド・ファリス准将。