第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 57 - 護衛
第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 57 - 護衛
さすがに全方位から攻撃を仕掛けられると、護衛対象の近くにいなければ守りきれなくなる。
なのでここからは、遠距離と近距離を併用した戦いを組み立てなくてはならない。
まず他より近づいていた無人機二機に対して、思いっきり残骸を投げつける。
運がいいことに、そのうちの一機が他の無人機の射線上にいたために、二つ同時に破壊することができた。
もう一つの破片は別の一機を破壊して、計三機を潰すことができた。
ここから先は、気砲の攻撃になる。
俺の前方に入ると、バルベル号に影響がでる可能性が高いので、常にバルベル号を背にするポジションを取って、最小の威力に押さえた気砲で一つづつ無人機を破壊していく。
本来ならば、でかいのをぶちかまして、まとめて処理したいところだが、今はこのやり方しか方法がない。
だが、このやり方だと、どうしても俺の背後にあるバルベル号の反対側が、敵に対して無防備になってしまう。
最初の一分は、敵は全方位から来てくれたが、二分目に入ると無人機に搭載されたAIの判断により俺のいない側に火力を集中し始めた。
さすがに、ここらが限界だと悟り。俺は宇宙服を捨てることに決める。
これから先は、無線での連絡もできなくなるし、バルベル号からのサポートも受けられなくなる。
だが、まぁそれはいつものことだ。
立て続けに来たスマート弾とレーザーによる集中砲火を、俺は直接弾き飛ばす。
最初の一撃目で宇宙服の袖がズタボロになる。
それを利用して、宇宙服を脱ぎ捨てた。
これで死角がなくなり、動きにも制限がなくなる。
スマート弾による攻撃が山盛りやってきたので、俺は動きを加速させる。
もう、遠慮する必要がなくなった。
近接信管が反応する前に破壊してしまえば炸裂弾と言っても爆発はしない。
レーザーは気を使って防ぎつつ、スマート弾を投げつけて無人機本体を破壊する。
それでどうにか対応していたのだが、しょせん一つずつである。
そろそろ限界だった。
これ以上は守りきれない。
そう考えていると、バルベル号が動き始める。
機体の外郭が開き、エアロックが見えていた。
俺はバルベル号を追いかけながら、敵の攻撃を防ぐ。
前方の無人機に対しては、バルベル号が砲門を開き有質量弾による攻撃で沈めていた。
俺は後方のみに集中して射程距離内の無人機を撃破しておく。