第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 56 - 戦闘開始
第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 56 - 戦闘開始
十分以上の破壊力を持った有質量兵器になる。
無人機はレーザーを使って破片を破壊しようとしたが、レーザーで破片の破壊も軌道を変更することもできずにそのまま激突する。
ぶつかった無人機は瞬時に残骸となった。
その時俺は右から来ていた無人機に向かう。
今度は単機ではなく三機同時に来た。
おそらく今の戦闘データをモニターしていたのであろう。
レーザーによる攻撃ではなく、レールガンによる攻撃に切り替えてきた。
しかも、ただのレールガンではなくスマート弾である。
誘導機能を持つスマート弾は、避けても追ってくるので注意が必要だ。
もっとも本来対人用ではないので、追ってきたところで避けることはそれほど難しくはない。
肝心なのは炸薬弾か、単なる有質量弾かということだが、調べるのは簡単だ。
無人機を破壊した残骸を拾っていたからだ。
そいつをスマート弾に投げてみると、ある程度近づいたところで爆発した。
やはり炸裂弾で間違いないようである。しかも直撃ではなく至近距離で炸裂する近接信管を使っている。
標的が小さいことを考えれば、当然の選択である。
だが、それで俺としてもやりやすくなった。
炸裂弾の破片を拾うと、無人機のレールガン発射口に向けて放り投げる。
無人機が次弾を発射したその瞬間に、その破片がスマート弾の前を通過した。
それに近接信管が反応して、炸裂弾が爆発する。
至近距離での爆発に巻き込まれて無人機の一つが破壊された。
俺は破壊された無人機の破片を拾い、他の無人機に向かって投げつける。
すると、ほぼ同時に他の二機の無人機も爆発に巻き込まれて破壊された。
だが、次はかなり厄介だった。
全方位から百を超える無人機が近づいてくる。
俺一人ならまったく問題ないのだが、バルベル号がいるとなると無茶ができない。
ここらが潮時だろう。
「どうだ? あとどのくらいかかりそうだ?」
俺は無線を使ってナジュと連絡をとる。
「五分……いや、三分耐えてよ。それでなんとかする」
まだ結構かかりそうだ。
「わかった」
俺は簡単に答えると、宇宙服のモニターを確認しながら対応するべき無人機を決める。
もちろん全機を相手にするつもりはない。
ようするに、三分以内に脅威となりそうな無人機のみを破壊すればいいことだ。
俺は両手に無人機の残骸を持つと、バルベル号の近くに戻る。