第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 07 - チーム
第08話 宇宙英雄伝説01 クレアル海回廊会戦 - 07 - チーム
「あんた、イヤなやつだよ。なんだって、こんなのとペアになったんだろうね。助けてやったのに、お礼の一つも言えないようなやつとは思わなかったよ……っていうか、なんであんた生きてたんだよ?」
愚痴を言った後、今それ聞くかというタイミングで聞いてくる。
「ちょっとしたコツがある。それより、コンビと言ったな? どうして俺と君がペアになったと分かった?」
俺は質問をさらっと流した後、重要な質問をする。
というのも、俺にはナジュとペアになったということが知らされていなかったからだ。
「聞いたからだよ……えっと、さっきその辺に浮かんでたのに、どこいったんだ?」
ナジュが周囲をキョロキョロと探していると、俺の正面にそいつがいた。
俺の部屋にも現れた、白いハクビシンである。
「ボクが教えたんだ。ナジュとナルセがペアとして闘いに参加するって」
白いハクビシンが話しかけてきた。
どうやらこっちは、ちゃんと話せるらしい。
「おい白ハク。とっとと俺を元の場所に戻せ」
たぶん無駄だろうなと思いながら話しかけた。
そんなことを聞き入れるようなやつが、いきなり攫ったりはしない。
「無理だよ。ボクにはその権限が与えられていないんだ。どうしてもと言うなら勝ち残ればいい。その願いは叶えられるはずさ」
はず……か。つまりこいつは、断定できるだけの情報にアクセスできないということになる。
この白ハク――白いハクビシンは長すぎるからな――が情報端末だと過程すれば、最低レベルのセキュリティ権限しか与えられていないということになる。
ということは、こいつから得られる情報は、通り一遍のことでしかないだろう。
俺としては、そのつもりで話した方がいい。
ただ現状は、その通り一遍の情報すらないわけだから、当面は役に立ちそうだ。
それだけの判断を一瞬ですますと、俺はまず最初の質問を投げかける。
俺が強制参加させられることになった、このゲームの設定だ。
「俺たちは、何をすればいい?」
まずはゲームの目的だ。
一応あの部屋で話は聞いたが、詳細設定までは話していなかった。
だから今確認する。
「簡単さ。他の英雄たちに勝つんだよ。方法は一切問わない」
これは、あの部屋でも聞いた話しだ。
問題なのはその詳細である。
「闘いにおいて、禁止事項はあるのか?」
これは、まず最初に確認しておきたいことだった。