第07話 異世界アイドル選手権 後編 - 18 - 舞台へ
第07話 異世界アイドル選手権 後編 - 18 - 舞台へ
これほどキワモノ揃いのメンバーに、ここまで統一した動きができるようになるとは、正直期待してはいなかった。
「よし、それじゃ行って来い! まずは開会式ではちみつパンプキωを知らしめるんだ!」
開場してから少し時が立ち、そろそろ開会式に向けて出場選手達が集合する時間になっていた。
入口の所に立っていた俺と斉藤は一旦外に出る。
もちろん邪魔にならないようにである。
今日の主役は彼女らであって俺や斉藤は外野でしかない。
最初に出てきたのは小島である。
あの小島が俺たちには一切目もくれず、真っ直ぐ前だけを見て俺の前を通り過ぎる。
次に出てきたのはアイカ。
相変わらず引き締まった体はそのままだが、よっぽど努力したのだろう。随分と筋肉が落ちて、丸みのあるアイドルらしい体つきになっている。
三番目はイチリアだ。表情にははっきりわかるくらいに余裕がでてきている。ずっと一人で抱えていた不安な要素が払拭されて、集中出来ている。
四番目はシリンだ。おそらくメンバーの中で、最も我が道を行っている女の子だろう。ただそれは、精神的に一番安定しているとも言える。実際彼女のパフォーマンスは格段に上がっていた。
五番目はサリィ。さっきまでとは見違えるようにいい表情になっていた。不安を抱え込まなくなったことで、それまであった不安を克服したのだろう。それと闘いの時間が迫ってきたことで、開き直れたのかも知れない。
六番目はレヴン。俺のことをはっきりと意識した視線を送ってくるのは、彼女だけだろう。メンバーの中ではもっとも第三者的な視点を持てている。
メンバー全員が出てきた後に続いて出てきたのはリミィであった。
相変わらず幼女体型だが、はちみつパンプキωにとってあまりにも大きな存在となっていた。
彼女の存在がなければ、闘う前から一回戦で敗退することが決まっていたことだろう。
そして、最後に出てきたのはカージであった。
言うまでもなく、実質上のプロデューサーであり、俺はカージに全て丸投げしていただけだ。
カージはメンバーの後にはついていかずに、俺のすぐ横にやってきて立ち止まる。
「いいのか、一緒にいかなくて?」
大分俺より高い位置にあるカージの顔を見上げながら聞くと。
「ああ、俺の役目はもう終わったからな」
カージはなんのてらいもなく答えを返す。
「ステージに上げるまでが仕事じゃないのか?」
俺がさらに聞くと。




