表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚無双~現代日本に転生したが、異世界が関わってきやがるので無双してやる~  作者: ぢたま
第07話 異世界アイドル選手権 後編
257/550

第07話 異世界アイドル選手権 後編 - 07 - 勇気

第07話 異世界アイドル選手権 後編 - 07 - 勇気


 結果など終わって見なければわからない。可能性なんて言葉は結果が出てしまえば無意味なものになる。だが、可能性はチャレンジするものにのみ与えられる物である。サリィには……そしてはちみつパンプキω(オメガ)には可能性が与えられた。その可能性を掴むのかそれとも手放すのか……今、サリィはその選択をしなくてはならない。

 もちろん俺は、そこまで話すつもりはなかった。

 話さずとも、その程度のことはサリィだとて分かっている。

 サリィが今必要とするものは、もっと別にあるのだろうと俺は思っている。

 そしてそれは、サリィが自分自身の力で手に入れなくてはならない物であった。

 それと大切なことは、サリィはそれをすでに手にしている。

 ただ、自分でそれに気づいていないだけのことだ。


「あたし、たち……。そう、あたしたちなのよね。馬鹿だな、あたし。夢を見ているのあたしだけじゃないのに。あたしは一人じゃないのに。怖くなって一人で震えて、バカみたいだよね」


 まだサリィの体は震えている。

 だけど、どうやら気づいたようだ。

 はちみつパンプキω(オメガ)は六人そろって初めて一つのユニットなのだということに。

 俺は声をかけずに、サリィが結論を出すまで黙って待っている。

 実際、それほど時間はかからなかった。


「ナルセ、ごめん。遅れちゃったけど、わがままだけど、あたしを会場まで連れていって」


 そう頼んできたサリィの体は、やっぱり震えたままだった。

 それでも、もう迷うことなくはっきりと言う。

 本当は俺が言わずとも、サリィは最初から持っているのだ。勇気というやつを。

 さすがに口に出して言うようなことではないので、このことに関してはこのまま封印するつもりだ。

 俺の方は口にする勇気がないからだ。


「もちろん。俺はそのために残っている」


 俺は、両手でサリィの小さな体を抱えて立ち上がる。

 ちっちゃいから軽いだろうと予想してはいたが、サリィの体は俺が想像していたよりずっと軽かった。


「残ってラッキーって感じかな? へへっ」


 サリィは俺の首に手を回して、ぎゅっと抱きついてくる。

 どうやら、いつもの調子を取り戻したようである。

 震えは相変わらず伝わってくるが、もう心配することはない。

 サリィは強い。

 俺はサリィを抱いて大会会場に向けて飛ぶ。

 ルートワース・シィティの郊外にシティ・ドームと呼ばれる巨大ドームがある。よくある東京ドーム換算で十個分だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ