第07話 異世界アイドル選手権 中編 - 18 - リミィ確認
第07話 異世界アイドル選手権 中編 - 18 - リミィ確認
そう聞いてきたのは、見た目ちっちゃな女の子であり、少し前まで陸軍で魔法学者として働いていて、今ははちみつパンプキωのトレーナーをやっているリミィであった。
「おおっ、幼女? まさかお前、こんな趣味があったのか?」
俺が口を開くより先に斉藤が話していた。
もちろん俺は斉藤の言葉など無視して二人の紹介をしておく。
「彼女はリミィ。うちの事務所でトレーナーとしてはちみつパンプキωの調教……もとい、訓練をやってもらっている」
まずは斉藤への紹介だ、変な勘違いさせとくと話がややこしくなりかねないからだ。それと、言い間違えたのはわざとである。
「こいつは斉藤、俺と小島のクラスメイトです」
次にリミィに斉藤のことを紹介するが、はっきり言って重要人物などではないので簡単にすます。
「えへへへっ。どもども、すんません、斉藤というつまらないものでげす。以後お見知りおきを」
自分の右手を制服にゴシゴシと擦りつけながら、妙な言葉遣いで卑屈に自己紹介をする斉藤。思いっきり下心を感じるのは俺だけではないだろう。
実際は有害なやつではないのだが、初対面ではキツイかも知れない。
「イチリアは帰ってきましたよ」
俺は斉藤との間に割り込むようにして語りかける。
すると、俺が想像していた以上にリミィはホッとしたような表情を浮かべた。
「それはよかった。それじゃ、あたしも帰らないといけないね。でも、なんであたしが此処にいるってわかっんだ?」
リミィのしてきた質問は想定内のもので、俺としては期待通りの質問でもあった。
これが小島や斉藤になると、ほぼほぼ計算通りにいくことはありえない。そう考えると、俺はある意味鍛えられていると言えなくもない。
「たまたまですよ、ある意味ね。貴方が情報収集を行った中に、リヴォーク社関連のものも含まれていました。もちろんリヴォーク社は軍事企業ですから、軍の魔法学者をやっていた貴方が関わっていたとしても不思議ではない。ただ、どうしてこの場所のことを調べていたのは気になりました。私がリヴォーク社買収に関わった後、送られてきた資料を見ていたので、ここがイチリア失踪とは関わりがないことはすぐにわかりました。でも、貴方がなぜここのことを調べていたのか、その理由がわからなかった。なので、ここに来たらそれが分かるかもしれない。そう思って来たのです」




