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召喚無双~現代日本に転生したが、異世界が関わってきやがるので無双してやる~  作者: ぢたま
第07話 異世界アイドル選手権 前編
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第07話 異世界アイドル選手権 前編 - 06 -ステージ

第07話 異世界アイドル選手権 前編 - 06 -ステージ


 一見ぽっちゃりかと思わせる体型だが、よく見ると体に付いているのは脂肪ではなく筋肉である。背中にオーガの顔が浮かびそうな体型をしていた。

 顔は美人の部類に入りそうだが、どうみても武闘家の雰囲気満々でアイドル要素が皆無であった。

 それまで惰性でサイリウムを振っていた連中の腕が固まっている。

 当然ながら観客の声援は完全に消え去った。


「みんな、生きてる? あたいはいつでも絶好調! 最強筋肉の妖精少女、せぇの、アイリィィンことアイカでぇっす!」


 アイカと名乗った少女は上腕三頭筋を強調するポーズを取りながら、自己紹介を終える。

 正直、これがアイドルとして成立すると言うのなら、俺の世界観が変わるなと心配したのだが杞憂だった。

 会場は静まり返ったままである。まるで時間が止まったかのようだった。

 会場の時間が流れ出したのは、左から二番目のアイドル女子が自己紹介を初めてからだった。


「みんな、乗ってるかい!? アイドル行方不明警報発動中、アイドルはどこ~~だ! ここにいるよ~~。アイドル一等一番地、イッちゃんこと、イチリアちゃんでぇ~~す!」


 今までで唯一アイドルらしい女子の登場で、会場は少しばかり盛り上がりを見せる。それは、今までの反動的な要素が大きいような気がする。

 ただ、アイドル行方不明というセリフは真実味がありすぎて笑えないレベルであるが。

 さて、ここからが、俺にとっての正念場となる。

 しかも続けて三連発だ。始める前から気がめいる。


「みんな、まったかぁーい!」


 そう言いながら前に出てきたのはシリンであった。

 小柄で可愛い見た目は最もアイドルらしいが、中身が危険物であることを俺は知っている。

 リシンが呼びかけて耳に手をあてて会場からの声を聞くような仕草をすると、ちらほらと声が上がった。

 どうやら、少しはファンらしき者もいるようだ。

 世の中、知らないということは恐ろしい。


「ちょっぴりすっぱくて、あまぁぁぁいスイーツ系アイドル、しぃちゃんこと、シリンちゃんだよぅ!」


 こんな声を出せるのかと思うような、可愛い感じのアニメ声でシリンが自己紹介をする。

 それを聞いた俺の背筋が寒くなったことは言うまでもない。

 しかも、本名をつかってやがる。一体何を考えているのか……聞きたくもないが。


「おまたぁーせ! あたしに、恋しちゃった男の子いるかなぁ? 罪作りな恋愛系アイドル、れーちんこと、レヴンでぇす!」


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