第06話 異世界ウォーズ 後編 - 49 - VS超兵器
第06話 異世界ウォーズ 後編 - 49 - VS超兵器
それはメタルマンの胸部から離れた光であった。光が通り過ぎた後、地面が巨大な棍棒かなにかで叩きつけられたような形に抉れていた。
どうやらメタルマンは、俺の攻撃のエネルギーを今のように光にして放つことができるらしい。
こいつは魔王ゼグルスがやられるはずであった。その攻撃が強力であればあるほど、自分に帰ってくる攻撃も強力なものになる。そういうことである。
おそらくこいつはリヴォーク社が持ち込んだ最強の兵器なのだろう。
持てる魔法技術のすべてを注ぎこんで完成させた、そう思っていいだけの力がある。ただ、あまりに極端に強くしすぎたおかけで量産化に失敗、結局売り物にならなかった。ある意味失敗作である。こういう状況でしか使い物にならない兵器とも言える。
いずれにしても、リヴォーク社はこいつを斃されたら次の弾はなさそうだ。
いくら予算があろうと、こんな兵器をいくつも作れる企業は存在しない。そんなことをすれば倒産するだけの話だ。
俺は圧倒的な力の差を見せつけて、こいつを斃すことにする。
もう一回メタルマンの懐に飛び込むと、今度は打撃技は使わず腕を取りそのまま投げた。
上空に飛ばされたメタルマンを追撃して、反撃を回避しつつその力を利用する形でさらなる高みへと投げ飛ばす。
成層圏まで達したところで、俺は一気にフェイズ4に移行する。
俺が発した衝撃波が魔界マドゥフ全体を震わせる。所々で地震くらいは起きたかも知れないが、かまわずメタルマンと対峙した。
先に仕掛けてきたのはメタルマンだった。
俺が放り投げた影響から脱したメタルマンは間髪入れずしかけてくる。
今の俺にはその攻撃は止まっているのと大差ない速さにしか見えない。余裕で交わすことは可能だが、あえて受け止める。左手の人差し指を使った。
ただ一回ではなく、連撃で攻撃が来るが、すべて指一本だけで凌いだ。
メタルマンの向こう側では、リヴォーク社の連中がモニターしているはずだ。俺はそいつらに力の差を見せつけている。
一秒以内に百五回の連撃を叩き込んだメタルマンは、百六回目の攻撃を出してくる前に距離を取った。
さすがに物理攻撃で俺を斃すことは不可能だと悟ったのだろう。魔法による遠距離攻撃に切り替えるつもりなのだ。
俺はあえて距離を縮めずに、そのまま敵の攻撃を待つ。
メタルマンが両腕を自分の顔の前でガードするようなポーズを取る。