表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/550

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 44 - 外務大臣

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 44 - 外務大臣


「あなたが、魔界マドゥフから来られた全権委任大使というわけですね? 紹介に預かりましたカナエです。こちらこそ宜しく」


 そう言って、カナエ外務大臣は俺の手を同じように両手で握り返した。

 さすがに政治家、そつがない。


「それでは、座って話しましょう」


 握手を終えた大臣が着席を促す。


「では失礼して」


 俺はすぐに大臣の言葉に従ってイスに座った。

 位置的にはさっきと同じで、違うのは一人増えたことくらいだ。

 ただし、その一人が外務大臣となれば大きい違いであるが。


「さっそくですが、あなた方のお話を大統領に報告して検討してみました。結論から先に申しましょう。できるだけ早期に魔界マドゥフとの国交を樹立したいとの意向でした。そして、私もそれに同意いたしました」


 カナエ外務大臣の持ってきた答えは、ほぼ満額回答に近いものであった。

 だが、具体的な手続きに入る前に知っておかなくてはならないことがある。


「一つ質問をしてもよろしいでしょうか?」


 俺は確認を取る。たとえ拒否されようが聞くので、これは形式上の問題である。


「なんでしょう?」


 カナエ大臣は特に嫌な顔などせず、答える意思を示してくれる。


「リヴォーク社からの反応は何かありましたか?」


 俺はオブラートに包んだりせず直球で聞く。あそこまでやっといて、今更回りくどい質問をしても仕方ないからだ。


「ええ、未開地域での魔鉱石採掘権の認可を求めてきました」


 予想通りの回答だった。


「それで、許可の方はどうされたのですか?」


 俺が本当に聞きたかったのはここの所である。


「申請内容に大幅な誤りがあったことと、現地政府の許可がとれていないという理由で許可は降りませんでした。もちろん国家間での外交とは関係のないことなので、国交樹立に向けての折衝はこれから行うことになります。私が来ましたのは、実務者レベルでの協議に移る前に、ご挨拶だけすませて置きたいと思ってのことです」


 どうやら魔界マドゥフに埋蔵されている資源は国家レベルでの管理下に置こうという判断のようだ。後々どこかの企業が複数参画することになるだろうが、条約による大幅な制限下に置かれることになるだろう。さすがに一企業だけに任せるには、あまりに巨大すぎる資源であるという政府判断なのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ