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第06話 異世界ウォーズ 後編 - 29 - 起こす

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 29 - 起こす


 俺がモリタと懸命に仕事をしている間ずっと、床の上ですやすやと気持ちよさそうに寝ていたレヴンのお尻を軽く何度か蹴飛ばして爽やかな目覚めを演出してやる。


「あっ主様、ごきげんよう。夜這いだったらいつでも歓迎いたしますわ」


 一体どんな夢を見ていたのか、床の上でごそごそ起き上がりながらレヴンはそんなことを言った。


「いつまでも寝ぼけてるんじゃないぞ。仕事だ仕事。すぐに出るから一緒にこい」


 俺はそれだけ告げるとさっさと歩きだす。

 向かった先は、チロが待っている部屋であった。


「チロ、ちょっと来てくれ」


 俺はチロをよびつけると、すぐに用を告げる。


「すぐに勇者を連れて、異世界に行ってくれ。その世界を勇者の名の下に統一しろ。手段は一切問わん。お前がいれば、邪魔な敵は簡単に排除できるだろう。途中ルートワースの連中が関与してこようとするはずだが、一切関わるな。どのみち内戦への関与では連中は深入りしてくることはない。とにかく、魔界マドゥフとの戦争が出来ない状況を作ってくれればそれでいい。やってくれるな?」


 俺の頼みだ、チロは喜んで頷いた。


「もちろんです、マスター。出来る限り速やかにご命令を実行してご覧に入れます」


 もちろん俺からの頼みだということもあるが、本来力押しはチロの得意とする所である。ぐちゃぐちゃどろどろとした陰謀うずまく法律戦よりは遥かにその力を発揮できるオーダーである。

 ただ俺としても、謀略戦よりはすっきりとした力の戦いの方がわかりやすくて良いのだが。さすがに俺以外にこの種の戦いが出来る人間がいないのでは、俺がやる以外にない。いわゆる貧乏くじを引いてしまったというやつである。

 そのあたりのことはひとまず置いておいて、ヴェリック社の人間を出迎える準備をする。

 違法行為ギリギリを担当する会社とはいえ、さすがに出入国は正規ルートを使って行うので、出現位置と時刻は正確に把握することが可能だ。

 城の周辺にいる魔物は移動して、出迎えるのは俺とモリタの二人だけにしてある。さらに交渉の場にはレヴンを置いてきた。

 交渉中に何を言い出すのか分からない怖さはあるが、所詮は魔界の責任者でもなんでもない女である。魔王ゼグルスが対応することで、なんらかの言質を取られるのとは訳がちがう。リヴォーク社が出てこないでヴェリック社が続けるかぎり、こちらの対応もレヴンにさせるつもりだった。


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