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第06話 異世界ウォーズ 後編 - 23 - レヴンの主張

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 23 - レヴンの主張


「当然ですわ。主様の身の安全を確保するのはこのわたくしの役割。お使えし、命に従い、身の回りの安全を確保し、その逞しくも美しい腕に永遠とわに抱かれ、星の数ほどの子孫を残すこともわたくしめの役割ですわ」


 最後の方になると、何やら妙に恍惚とした表情でレヴンは自分の意見を主張する。俺個人としては、レヴンにとんでもない身の危険を感じるのだが……。まぁ、そのことは保留にしておく。

 なぜなら、


「と我が娘が言っておるが、ナルセ殿、いかがする?」


 いきなり魔王ゼグルスは俺に話を振ってきやがった。

 暗に、管理責任は俺にあると言ってきているのだ。

 さすが魔王、油断できない。


「そのためにこそ、この者の力が必要となりましょう。この者は、かの世界における最強の武器を自在に操ることのできる男です。敵は強大ですが、一歩も引くことなく戦うことができると確信しております」


 おれはこれでもかというくらいハードルを上げながら、モリタのことを押しておいた。ちらっと様子を見ると厳しい表情をしている。それも当然で、相手は企業の金と人脈に物を言わせて多数の弁護士を抱えている連中だ。簡単に勝てるような相手ではない。

 だが所詮法律の戦いは、数の勝負などではなく駆け引きだ。お互いに一歩も引かないという態度を貫くなら、最後は裁判で決着をつけることになるだろうが、そんなことはまずありえない。契約前ならなおさらである。いかにできるだけ自分に都合の良い条件を相手に飲ませるかという戦いである。

 もちろんモリタはその道のプロだ、十分過ぎるほど承知しているだろう。だから、俺はあえてプレッシャーを掛けた。そこらの弁護士とは背負っているものが違うのだということを言外に伝えたのだ。

 ただし、俺自身はあくまで他人事であるが。


「その意気やよし。あっぱれな覚悟であるぞ、モリタよ。良い働きをしてくれたら、これをそなたにくれてやろう」


 そう言って魔王ゼグルスが見せたものは、赤ん坊の頭ほどもある巨大なダイヤモンドであった。金と同様に、宝石もまた異世界間での取引では良く使われる。ただし、金と違って物によって大きく価値が違うので使い勝手は良くない。とはいっても、これだけ巨大なダイヤだとその価値はどのくらいになるのか想像がつかない。


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