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第06話 異世界ウォーズ 後編 - 12 - ゲート

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 12 - ゲート


 おそらく連中はここで得た情報を本社に持ち帰って、てんてこ舞いしていることだろう。ライバル会社の情報を掻き集めたり、交渉のために必要な新たな条件を練り直したり、さらには内部から情報が漏れていないかということの調査もしなくてはならない。やることは多いが、ライバル会社がいるとなると時間との勝負だ。悠長にしているような暇はない。

 おそらくまともに寝ている暇なんてないだろう。俺が24時間以内と言ったのは、その辺りを考えてどんな条件を持ち帰ってくるにしても、早急に手を打たなくてはならない理由が彼らにはあると踏んだからだ。

 ライバル会社が関わっていたと聞いたときの慌てようはただごとではなかった。おそらく、彼らがやろうとしていることの一つは、本国において非合法な何かなのだろう。俺は彼らが違法行為をやっていると仮定して、何が違法なのかその法律が書かれている条文を調つきとめることであった。

 それだけでも、こちらとしては随分と有利になる。さらに時間があれば、向こうの世界における権力者と接触したいと思っていた。最終的な目標は異世界間での国交樹立とそれに伴う条約を交わすことである。


「わかったわ。っていうか、チロが戻ってきたわね。役に立つ寄生虫は役立たずの王女様と一緒に待ってるからいってきなさい」


 俺が想像していた以上に根に持っていたようで、嫌味たっぷりにルーファが言う。

 役立たずと呼ばれた元王女が激昂して何か言いそうになるのを俺が手で押しとどめて、やってきたチロへのねぎらいの言葉をかける。


「チロ、よくやった。すぐに行けるか?」


 俺が言った瞬間、誰にも分かるくらいチロの顔には喜びの表情が浮かぶ。


「はい、ご主人さま。いつでもお好きな時に」


 役にたたないということがまずあり得ないチロは、有能さを全開にした答えをする。


「よし、行くぞ。チロ、ゲートを開けてくれ」


 俺が言うか言わないかのうちに、部屋の真ん中辺りに漆黒の空間が球体として出現した。

 これが、異世界へのゲートである。


「ルーファ、維持しておいてくれ」


 俺がルーファに向かって指示すると。


「もうやってるわよ。さっさと行って帰って来なさい。維持しとくのもけっこう体力いるんだから」


 余裕のある態度でルーファはおれとチロを促した。

 そして、もう一人何か言いたさそうにしている者がいる。

 話すことを禁じたので、話せずにいたレヴンである。


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