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第06話 異世界ウォーズ 後編 - 04 - 書類

第06話 異世界ウォーズ 後編 - 04 - 書類


「これを読んだのか?」


 俺が尋ねると。


「ああ。ただ、ほとんど内容を理解出来なかったがな」


 おそらく、大半はあちらの法律に照らした契約内容となっているはずで、法的な根拠を知らない人間が細かいとろこを読み込んだところで理解できるはずがない。

 どんな内容が書かれているにしても、こんなものを承諾してしまったら、ろくな事にならないことは容易にさっしがつく。


「俺が知りたいのは一点のみ。対価として何を求めてきたのかということ」


 もちろん、今まで俺が話した理由も売り込みに来た連中の目的ではあるだろう、だがなぜマドゥフであるのかということとは別の話だ。


「それが、よくわからんのだ。金銀財宝ではなく、連中は死の大地における独占使用権を求めてきている。ナルセも知っているはずだが、あの地は何者も生存できない不毛の大地。あのような土地をどうするつもりなのか、理解に苦しむ」


 俺は、その答えを聞いて、すっかり腑に落ちた。

 きんはどの世界においても希少金属なので、ほぼ等価の価値があり取引手段としては悪くはない。ただ、軍事産業というのはどの国においても、その土地の政府と密接な関係がなくては成り立たない産業だ。ただ単に利益を得ようとしているわけではないことは、最初から予測できていた。この場合、金よりもより密接な関係維持ができる何かを対価に求めたのだ。

 そして、俺にはその何かが容易に想像がついている。


「おそらく死の大地と呼ばれるあの土地には、豊富なエネルギー資源が眠っているのだろう。連中がいる世界においては、喉から手が出るほど欲しがっているはずだ。それを独占的に採掘できるとなれば、そこから得られる利益は計り知れないものとなる可能性が高い。もちろん、単なる武器販売会社にそんなことができるわけがないので、とうぜん別の組織も関わっている可能性が高い。いや、もしかすると今回の件において主導的な立場にいるのはその連中かもしれないな」


 どこの世界においても、エネルギー利権というものは戦争をする一番の動機になりうる。なぜなら、エネルギー資源こそが国の存亡を左右する理由であるからだ。それだけに、エネルギー産業と軍需産業の結びつきは根深いものがある。

 戦争を起こして、マドゥフに入り込もうとしていたことを考えると、どうしてもエネルギー資源が関わっている可能性は考慮しておく必要があった。


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