第06話 異世界ウォーズ 前編 - 25 - 魔法技術《マジック・テクノロジー》
第06話 異世界ウォーズ 前編 - 25 - 魔法技術
これが魔法技術を使った兵器であることはほぼ間違いない。だとすれば、これを開発した連中は実戦データが喉から手が出るほど欲しいはずだ。テクノロジーとはトライ・アンド・エラーを繰り返すことで発展するもので、そこは科学技術となんら変わらないはずである。
これまで、送られてきた兵器はすべて破壊していた。やったのはおもにシリンだが、俺もやっている。これでは、兵器の実戦データは得られておらず、それどころか一体こちらで何が起こっていたのかすらわからなかったはずだ。
毎回、同じ兵器を同じ数送ってきていたのがそれを間接的に裏付けている。
そういった状況を考慮すれば、データを入手した兵器を回収するための手段が存在しているはずである。
もちろん、それを調べることは今の俺たちにはできないが、知る手段は残されている。うまくいくかどうかは、やってみないことにはなんとも言えないが。
「ノラ。もう一度、これを組み立て直すぞ」
この宣言に、ノラはあからさまなまでに引いていたが、俺は気づかなかったことにする。
俺はバラしていったのと丁度逆の順番でパーツを取り付けていく。きちんと整理しながらバラしていったので、間違うことはないだろう。手間はかかったが、どうにかほぼ復元することができた。
最後に残ったのは、コアと本体の接続だが、これに関してはさすがに問題がある。
一つは俺が引きちぎったので接続部分を補修しないとそのままでは取り付けられないということ。もう一つは、動き出したらもう後戻りはできなくなるということだ。
接続部品に関しては、コアを取り出すことなく破壊した円盤がいくらもあったので、その中から入手することができた。
のこる問題に関しては、俺が一人で動くことにする。
帰還ゲートの先がどうなっているのかわからない以上、持てる最高のリソースを投入するのが危機管理のセオリーだ。もちろん、この場合俺のことである。
もちろん、俺自身が帰還できなくなるのは困るので、召喚魔法の使い手であるルーファを帰還用ゲートを開くために連れていかなくてはならない。
「よう、楽しそうだな?」