第06話 異世界ウォーズ 前編 - 22 - 調査開始
第06話 異世界ウォーズ 前編 - 22 - 調査開始
人差し指と中指で回転の中心部を正確に打ち抜き、中からコアを引っ張りだす。これで円盤はコントロールを失ったが、すぐに回転が止まるわけではない。
このままだと俺にぶつかった円盤は壊れてしまう。フェイズ・シフトはしなくても、その程度の気は纏っているからだ。なので交わすしか無かったのだが、コントロールを失った円盤は俺が交わしたことで、もう1機の円盤による遠隔攻撃の射線上に入ってしまい破壊されてしまった。
当初からの狙い通りとはいえ、捕獲するのはこれでもう本当にラストチャンスということになる。
俺は間をおくことなく最後の円盤との間合いを詰めた。円盤は近接攻撃モードに移行して、高速回転を初め俺の体を切り裂くために突入してくる。
俺はまた皮膚の革一枚の近距離になるまでまって動く。人差し指と中指で回転の中心を打ち抜き、コアを引き抜くところまでは一緒だったがその後、円盤の攻撃をかわさななかった。抜き出したコアをそのまま放棄して、両手で円盤を挟み付けて力づくで回転を止める。すでに無傷のコアは入手している、必要なのは円盤本体だけであった。
俺は本体が壊れない程度に慎重に力をこめ回転を止めることに成功する。
かなりめんどうだったが、目的は果たすことができた。ただ、これからが本番だ。ことの元凶をつきとめなくてはならい。
「これで、調べることができるか?」
俺はコアと本体をノラに差し出して意見を求める。
「は、はい。やってみます……みますが、どうやら私にとっては未知の技術が使われているようです。なので、どこまでわかるかはなんとも……」
つべこべ言わずにやれ、と言いたいところだが、おそらくはそんな感じの答えが返ってくることは予測がついていた。
「いいか、これはテクノロジーだ。つまり、これを作った存在がいるということだ。しかも、あれだけの数を揃えることができるということは、量産することが可能だということになる。そんなものが、理解不可能であるはずがない。まずは解体してみろ。そこから見えてくるものがあるはずだ。俺も手伝う」
あえて言わなかったが、基礎となるテクノロジーに開きがありすぎる場合だと、理解できないままで終わる可能性もあった。ただ、その可能性に関しては言及するつもりはなかった。その場合だと、考えてもしかたのない状況になるだけだからである。
それにもう一つ。これしか手がかりがない、ということもあった。