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第06話 異世界ウォーズ 前編 - 20 - アレ

第06話 異世界ウォーズ 前編 - 20 - アレ


 良くも悪くも、今起きていることを解決するための手がかりはこいつしかないからである。


「ナルセ、アレがまた出たよ。やっちゃっていい?」


 リビングでノラと話している俺に、玄関から大きな声で話かけてきたのはシリンである。


「ちょっとまて。今回は俺がやる」


 俺も大きな声で言い返した。

 ノラと話した結果、どうもこのままでは事態は解決できそうもないことがわかった。

 最も根本的な問題として、アレの正体がなんであるのかわからなかったからだ。

 これまでは、シリンが強烈な魔法をぶっぱなして跡形なく片付けていた。手っ取り早いやり方だが、それだと調査のしようがない。

 調査するためには、俺かチロが直接でて捕獲する必要がある。チロは仕事に行っているから、俺がやるしかない。

 俺が外に出ると上空には大量のアレが飛んでいた。

 下から見ていると、ウンカのようにも見えるが、実際には一つ一つが直径1メートルほどの円盤だ。空中で飛翔している。

 それが俺の家を目指してい飛んできているところだった。

 俺はフェイズ・シフトは使わずに対峙する。数が多く非常にめんどうだが、まとめてぶち壊すわけにはいかないので、できるだけ無傷で捕獲するために1つずつ相手にするしかない。

 とはいっても、敵はオールレンジで攻撃をしかけてくるので、あまり手加減もできない。なので、まずは数を減らすことに専念する。

 地上戦と違い、平面ではなく立体的な攻撃なので、避けるだけでもけっこうめんどい。しかも、中長距離では魔法による遠隔攻撃、近距離では高速回転をしながら切断攻撃という具合に、隙のない攻撃をしかけてくるために有利な間合いというものが存在しない。

 鬱陶しいことだが、攻撃と防御を常に同時にこなす必要があった。

 幸いなことに、こいつらは逃げるということをせずに、ひたすら攻撃してきてくれるので追いかける必要がなく、その分に関してはとても助かった。

 この状況で追撃までやる羽目になったら、さすがに俺でも投げ出してしまったかも知れない。

 結局、三十分ほどかけて残りを三機にまで減らした。体力的な消耗はそれほどてもなかったが、これだけの数のオールレンジ攻撃ともなるとさすがに服は無傷とはいかず、もう着るのは無理そうな惨状になってしまった。

 かなり、腹がたったが、それをぶつけるわけにはいかない。服を一着犠牲にしてまでもやったことが無駄になってしまっては目も当てられない。


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